2日目です。
朝からよく晴れた旅行日和です。
ホテルから昨日の三重交通のバスで移動し，先ずは伊勢神宮の奥の院と云われる朝熊山金剛證寺
をお参りです。
朝熊山と書いて“あさまやま”と読むそうです。
お伊勢さん参りとこのお寺，どんな関係なんでしょうか？
バスガイドさんの以下の説明で納得しました。
朝熊山の頂上近くに在り，ちょうど伊勢神宮の丑寅（北東）に位置することから昔より「伊勢
神宮の鬼門を守る寺」として伊勢神宮の奥の院といわれ，「お伊勢へ参らば朝熊を駆けよ, 朝熊駆け
ねば片参り」と伊勢音頭の一節にも唄われ、参宮する人々は当寺に参詣するのが習わしだったとか。
[注]丑寅(うしとら)＝寅と寅との中間の方角。北東。陰陽道で鬼門とされる。
金剛證寺 仁王門 |
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さて，この金剛證寺ですが，寺伝によると創建は6世紀半ば，欽明天皇の時代にさかのぼるというが，
定かでない。
平安時代に空海が真言密教道場として当寺を中興したと伝えられている。
その後，14世紀末に真言宗から臨済宗に改宗し禅宗寺院となり現在に至っているそうです。
神仏習合思想ともからみ, 伊勢信仰と結びつき伊勢・志摩最大の寺となった。
金剛證寺 本堂 (重文) |
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金剛證寺について，もう少し詳しくは下記のPicture をご覧下さい。
 Picture / Pilgrimage to old temples / 「勝峰山 金剛證寺」
約30分程拝観して，標高555mの朝熊山頂広苑(公園)で休憩。
展望台からの眺めは絶景でした。
眼下には渥美・知多半島・神島・答志島、伊勢湾が見えます。
答志島, なつかしいですね。
昨年5月, 伊勢志摩サイクリングツア－第2日目にこの島に渡り宿泊。
旅館で，伊勢エビ・アワビ・ヒラメの刺身などの美味しい漁師料理をいただいたのが思い出されます。
朝熊山広苑からの志摩湾の眺め |
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この後，我々は伊勢志摩スカイラインから車窓の景色を楽しみながら内宮近くに移動し,早めの昼食
です。
五十鈴川沿いにある郷土料理屋「野あそび棚」に入りました。
五十鈴川 郷土料理 「野あそび棚」 |
伊勢の郷土料理「てこね寿し伊勢うどん膳」をいただきました。
てこね寿し,伊勢うどん,小鉢,茶碗蒸し,味噌汁のボリュ－ムのあるセットです。
てこね寿し |
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伊勢うどん |
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「伊勢うどん」は, 「讃岐うどん」と真逆で「腰」がなく「ういろう」のような食感です。
麺は太めで汁が無く，濃厚なタレに絡めて食べるうどんでした。
拙者は, 元関西人のためでしょうか，「讃岐うどん」の方がエエですワ。
昼食のお後は，内宮参拝です。
ここは，昨年の伊勢志摩サイクリングツア－の時に訪れました。
聖なる場所ですので，サイクリングス－ツを脱ぎ正装して参拝したのを思い出します。
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五十鈴川
宇治橋から上流を
眺める。
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宇治橋鳥居
宇治橋や両はしの鳥居は，
両正殿の旧正殿棟持柱を
リサイクルしている。
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神苑
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第一鳥居
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五十鈴川御手洗場
参拝する前に心身を
清める場所。 |
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第二鳥居
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内宮社殿
社殿の中心の正殿は,
五重の垣根に囲まれて
いる。唯一神明造りの
古代様式で, 萱葺きの
屋根には10本の鰹木が
のせられ,4本の千木の
先端は水平に切られている
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内宮社殿前で
記念写真 |
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荒祭宮
天照大御神の荒御魂を
まつる別宮で,荒御魂とは
神の特別な働きをする状
態,または神が現れた状態
といわれている。
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神楽殿
ご祈祷のお神楽を行う
御殿。
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御厩の神馬
名前は空勇(そらいさむ)号
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五十鈴川
宇治橋から下流を
眺める。
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内宮参拝の後は，おかげ横丁散策です。
おはらい町通りはご覧のように雑踏を極めていました。
おはらい町通りの雑踏 |
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この通りには，ご覧の通り伊勢名物 赤福の店の看板が見えます。
2007年に「消費期限及び製造日，原材料表示偽装」事件を起こし，善良な消費者に背信行為をした
あの企業です。
直近の食品偽装事件のはしりですね。
あれだけの反社会的事件を起こしたため，「赤福」はてっきり市場から退場してもらっているものと拙者は
思っていました。
バスガイドさんによると，あの事件を契機にして企業努力もあったのでしょう，次第に売上を回復し，
今では商売繁盛, ビジネスは絶好調に推移しているとのことです。
世の中，何が起こるかわかりませんね。
まぁ，これからは，伊勢神宮前に本店を持つ企業としてコンプライアンスを遵守し，消費者に礼節をわき
まえたビジネスをお願いしたいですね！
おかげ横丁です。
伊勢神宮へのおかげ参りブームが起こった江戸から明治期の伊勢路の建築物を移築などして，
かっての風情を再現した街並みで，伊勢路の名産品，土産物，名物料理屋などが軒を連ねています。
約1時間程散策して今回の伊勢志摩旅行も終局です。
内宮の宇治橋の入口のこの景色ともお別れです。
14:52発の近鉄特急に間に合うようにバスは我々ツ－ア客を乗せて宇治山田駅へ。
かって，同じ釜の中で働いた皆さんとの楽しい同窓会でした。
来年の再会を約し，名古屋駅を後にしました。
フォト; 2013年11月20日
現役時代の幹部社員研修時の同じクラス仲間の同窓会がこの日開催され参加しました。
同窓会と言っても，年1回,例会と称して国内旅行をし旧交を温めている会です。
今年は1泊2日の伊勢志摩旅行でした。
ご存知の通り, 今年・2013年は伊勢神宮の式年遷宮の年です。
この機会に幹事さんが「お伊勢さん参り」のツア－を組んでくれたのです。
年を重ねるにつれて，この会への参加者は次第に少なくなり，今回の参加者は夫婦組を含め総勢
13名です。
参加者はほぼ常連組に収束されてきたようです。
関東組の皆さんと近鉄・名古屋駅で合流し，13:15発の近鉄特急で宇治山田駅へ。
このツア－は，クラブツ－リズム企画の旅「列車で行く!外宮・内宮・奥の院3社参り」でしたので, 我々
以外の参加者も含め48名による団体旅行です。
そんなことで，名古屋からの特急列車は，時刻表にも載っていないクラブツ－リズムの特別仕立ての
「かぎろひ」号でした。
列車内では名古屋名物！コ－チン弁当で昼食。
宇治山田駅からは，三重交通の貸切バスで最初の訪問地・伊勢神宮・外宮へ。
とにかく,参拝客の多いのには驚きました。
手水舎 |
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我々のようなサンデ－毎日組に加えて老若男女の大群です。
ウィ－クデ－と云うのに日本はそんなに暇なんですかね。
バスガイドさんの案内で玉砂利の参道を進みます。
先ずはガイドさんが教えてくれた作法で手水舎で身を清めます。
第一鳥居，第二鳥居を潜って奥へ進みます。
潜る時もお参りの作法に則り「軽く一礼」。
外宮・第一鳥居 |
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外宮・第二鳥居 |
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さて，伊勢神宮と式年遷宮について簡単に触れておきましょう。
「伊勢神宮」は, 「古事記」や「日本書紀」などの神話の世界に登場する太陽を神格化した神とされる
天照大神を祀る皇大神宮(内宮),衣食住の守り神である豊受大神を祀る豊受大神宮(外宮), さらに別宮や摂社・末社・所菅社など全部で125社からなる神社の総称です。
伊勢神宮は皇室の氏神を祀るため、皇室・朝廷の権威との結びつきが強く，皇室が今も変わらずに
祭祀を続けるとのこと。
「式年遷宮」とは, 原則として20年に1度, それも8年の歳月をかけて, 内宮・外宮の二つの正宮の
正殿, 14の別宮の全ての社殿を造り替えて神座を遷すことを云います。
このとき, 宝殿外幣殿, 鳥居, 御垣など計65棟の殿舎のほか,装束・神宝,宇治橋なども造り替えら
れます。
伝承によると, 第1回が行われたのは持統天皇4年(690年)とのことです。
その後, 戦国時代に長い中断があったようですが, およそ1300年にわたって行われている希少な祭事
です。
画像をクリックすると大画面でご覧になれます |
外宮・MAP |
さて，参拝・観光の続きです。
参道を進むと右手に神楽殿です。
ご祈祷のお神楽や御饌を行う御殿です。
神楽殿(かぐらでん) |
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更に奥に進みます。
ところで, 神宮での歩き方ですが, 外宮では左側通行,内宮では右側通行です。
皆さんご存知だったでしょうか？
どうして？
それは, 手水舎が設置されている位置に関係しています。
その位置は, 我々俗界の人間が手水舎で身を清めた後, 少しでも遠い位置から徐々に神聖な「正宮」
に近づくように配慮されています。
つまり，正宮は必ず参道を挟んで手水舎の位置と反対側にあり, 従って手水舎のある側を歩行するの
です。
正宮(豊受大神宮)に着きました。
豊受大神宮の社殿(外宮) |
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神体を祀っている正殿の隣に, 20年ごとに同じ様式の新正殿を建て, 神体を納める式年遷宮の
クライマックス「遷御の儀」は, 既に10月５日に完了したとのことです。
写真右側に見える社が旧社殿, 左側端に見えるのが新社殿です。
旧正殿は更地にされて古殿地となり, 次回の式年遷宮の地になります。
新社殿です。
参拝は鳥居を潜ったすぐ前で行われ, 正宮境内には入れません。
従って, 社殿の中心となる正殿は見れませんでした。
外観が見える場所まで入れてくれれば良いのに！
皆さん遠地から参拝に来ているのに！
こんなところが, 神教は仏教と違うところなんでしょうか？
拙者, どちらかと言うと仏教の方が親しみやすいですね。
神教は，神話の世界の実在しない偶像崇拝であり，特に神宮は高貴な村社会の宗教との思いが
あるからでしょうか。
ガイドさんの説明から知った新知識をもう一つご紹介しましょう。
外宮と内宮では, 社殿の造りは神明造で同じ様式ですが, 屋根の鰹木と千木は異なります。
［注1］鰹木＝屋根の上 に棟に直角になるように何本か平行して並べた部材です。
［注2］千木＝屋根の両端で交叉させた部材です。
鰹木と千木(外宮の社殿) (画像をクリックし拡大してご覧下さい) |
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社殿の鰹木の本数は, 外宮では奇数, 内宮では偶数。
ちなみに, 外宮の正殿では9本とのことです。
又, 千木ですが, 先端の形状が外宮では地面と垂直にカットされていますが, 内宮では地面と水平に
カットされています。
上の写真をご覧いただければ, お分かりいただけるでしょう。
参拝を終えて参道を引き返します。
この外宮の杜には, ご覧のように樹齢数百年の樹木がたくさんあります。
歴史を感じますね。
外宮とお別れし, 我々はバスで二見浦・夫婦岩へ。
当初は二見浦→外宮の行程でしたが, 都合により逆転しましたが, 古よりお伊勢参りの旅人は二見浦で
禊（みそぎ）を行い, 神の領域へと入ったそうです。
拙者もここを訪ねるのは, 宇治にある小学校6年生の修学旅行以来です。
昨年の5月にヨット仲間と伊勢志摩サイクリングをした折にこの浦で休憩しましたが，夫婦岩には立ち
寄っていません。
従って, 約60年振りに実物とお目にかかることになります。
二見浦 |
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二見浦・夫婦岩 |
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この辺りも観光地化し, 二見シ－パラダイスやら二見浦の海岸に直結するショッピングプラザがあったり
してすっかり変貌していました。
見物を終えてプラザの土産物屋に伊勢海老の生簀がありました。
例の百貨店やホテルによる食品偽装問題が発覚して以来, 伊勢海老の価格が約2倍に高騰しているとの
ことです。
いました，いました。
生簀の端に寄り添っています。
ロブスタ－では無く, たしかに伊勢エビでした。
さすがに, 伊勢海老の産地ですね。
今日の行程はこれでおしまいです。
夕暮れがせまっています。
再びバスに乗り, 宿舎である伊勢志摩温泉郷にあるホテル近鉄 アクアヴィラ 伊勢志摩へ向かい
ました。
続く Diary / No.574－2013.11.20 / 「例会・伊勢志摩旅行 -式年遷宮- (2/2)」
平成25年秋の叙勲が11月3日付で発令され, 全国紙でも発表されました。
今回は，旭日章, 瑞宝章を合わせて, 4,193名の方が受章されたとのことです。
これまであまり興味が無かったのですが，今年は違いました。
そうなんです，身内に受章者が出たのです。
その身内の祝賀会(11月９日)が京都・四条河原町の京料理「田ごと」で催され，拙者もお祝いにかけつけ
ました。
既に内閣府のHPなどで公表されており，又，名誉なことでもありますので受章の内容をここでもオ－プ
ンにします。
受賞者は，拙者の義兄，元国会図書館副館長の宇治郷 毅さんです。
図書館事務功労で瑞宝重光章を受章されたんです。
ところで，拙者も含め叙勲に縁のない人がほとんどですので，叙勲とは何か？
Netで覗いて調べてみましたのでご紹介しましょう。
要約すると以下のようです。
叙勲とは，国家又は社会に対する功労者を対象に, 国が旭日章又は瑞宝章のいずれかを毎年春と秋に
授与すること。
叙勲のうち, 「旭日章」は顕著な功績を挙げた人，「瑞宝章」は公務等で長年従事し功績を挙げた人が対象
となる。
それぞれ，大綬章,重光章,中綬章,小綬章,双光章,単光章と6段階に分かれている。
お分かりいただけたでしょうか？
受章御祝の記念品を差し上げて，皆さんで祝杯を上げました。
見た目にも美味しそうな京料理の雰囲気を楽しみながら，しばし皆さんで歓談。
11月8日に宮中で行われた叙勲 重光勲章伝達式に義兄もモ－ニングの礼装で出席され，その後,
配偶者(義姉)を同伴し天皇陛下に拝謁されたとのことです。
勲章を拝見させていただきました。
勿論，カメラに収めましたのでご覧下さい。
画像をクリックすると大画面でご覧になれます
勲章は黒光りの箱に納まっています。
表面には難しい字体で「瑞宝重光章」と金字で刻印されています。
光り輝く重光な勲章ですネ。
手で持ちましたが，けっこう重かったです。
重光章だからでしょうか？
皆さんで記念写真に納まりました。
受章された御本人にとっては大変名誉なことですが，我々身内にとっても大変喜ばしいことでした。
昨日に続き同じ加茂町にある海住山寺(かいじゅうせんじ)の拝観です。
お目当ては観音さん。
そうです, 十一面観音菩薩立像にお目にかかるためです。
今日は, JR加茂駅西口から奥畑行きの木津川市コミュニティバスに乗車。
利用者が少ないのか, バスといってもマイクロバスです。
乗客は, 海住山寺への拝観者と思しき2組の乗客3名だけでした。
2時間に1本, それも1日に5本しか運行していないというから, このお寺のロケ－ションは一体どんな所
かと想像をかきたてます。
途中, 恭仁宮跡(くにきゅうせき)の遺跡を通過し, 田んぼの細い道を通り約10分程で海住山寺口バス
停に到着。
山の麓に小さな集落があり, その前には長閑な田園が広がっています。
ここからお寺まではテクテクとウォ－キングです。
ガイド板に従って山際の集落の中を通り舗装された山道を上って行きます。
観光協会のチラシを見るとバス停から1Kmの距離ですが, 急カ－ブの勾配のある上り坂が続き,
マイッタ,マイッタです。
途中,「海住山寺」の石碑があったのでもうすぐかと思いきや, 大きな看板があり「あと800m」とあり
ます。
ウッソ～, まだまだや～ん-----。
海住山寺 楼門 |
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山門らしきものが視界に入りました。
それにしては, 手入れもなく粗末な建物です。
山門ではなく楼門でした。
この楼門を潜って3～4分歩くと左手に猛烈に急角度の石段の上に門が見えました。
これが正真正銘の山門でした。
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山門の扁額「海住山寺」 |
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ゆっくり上れる迂回路で境内に向かいました。
受付で拝観料500円を払い境内へ。
ここの拝観料, ち～と高いですね!
さて，このお寺について触れてみましょう。
あくまで寺伝ですが, 「恭仁京」造営に先立つ6年前,天平7年(735年),大仏(大盧舎那仏)の造立
を発願した聖武天皇が工事の安全を願って東大寺初代別当・良弁僧正にこの地に寺院を建立させ，
十一面観音菩薩を安置して，藤尾山観音寺と名付けたのに始まる。
保延3年(1137年)に消失, 一時廃絶したが, 笠置寺の解脱上人貞慶(じょうけい)が再興,
寺名も補陀落山海住山寺と改めた。
その後も寺観も整備され, 盛時には塔頭58坊を数えたとのことです。
海住山寺について，もう少し詳しくは写真と共に下記のPictureをご覧下さい。
Picture / Pilgrimage to old temples / 「補陀洛山 海住山寺」
国宝 五重塔 (鎌倉時代) |
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汗だくになっていたので,上着を脱いでＴシャツ姿での拝観です。
先ずは，目の前に立つ五重塔からです。
今日は，初層内部が開扉され公開されていました。
内部には四天王像(重文)が東西南北に安置されています。
初層内部に心柱が無く, 四天柱（仏壇周囲の４本の柱）に支えられて
います。
心柱は初層天井の上に立てられているのが特徴です。
更にもう一つの特徴は，ご覧になると分かりますが，最下段の屋根
が2枚となっており, 最下層に木形銅板板葺きの裳階(もこし)が
付いていることです。
裳階を持つ五重塔は, 法隆寺とこのお寺のみです。
本堂です。
海住山寺 本堂 |
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今日は「秋の文化財特別公開」中で, 素晴らしい寺宝が拝観できました。
お目当ての十一面観音菩薩立像は二つあります。
一つは, 本堂にある本尊・十一面観音菩薩立像であり, もう一つは, 奥の院のそれです。
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↑ 十一面観音菩薩立像(奥の院)
木造 像高 45.5cm 平安時代 重文
← 十一面観音菩薩立像(本堂 本尊)
木造 像高 167.9cm 平安時代 重文
[注]画像は, 「南山城の古寺」(㈱飛鳥園)
から抜粋
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いやあ, どこの観音さんも柔和な顔立ちですね。
保存状態からくるのかも知れませんが, どちらかというと拙者は奥の院の観音さんの方が好きですね。
とにかく, 拙者, 観音さんと対面してじっと眺めていると, 我が身の煩悩が全て洗い流されるような
気がします。
十一面観音来迎図(板絵 室町時代)です。
左上にある観音の浄土・補陀洛山から十一面観音が雲に乗って飛来し, 大海原を越えて右下の庵の
中で合掌する往生者のもとに来迎する様を描いています。
この作者, きっと観音信仰に深かったのでしょう。
そうでないと, これ程の構図は思いつかないでしょうから。
観音さんの周りの菩薩たちが楽器を奏でているのも面白いですね。
当時の信仰の姿をよく伝えているのでしょう。
「本堂裏山からの眺望がすばらしいですよ」と聞き, 裏山に上がりました。
木津川やわずかの間だけ都「恭仁京」があった瓶原(みかのはら)の地を一望できます。
少し,もやっていましたが, すばらしい眺めでした。
続いて, 本坊に上がり庭園を拝見。
紅葉の頃だったらこの写真も絵になったでしょうにね。
バスの時間が迫ってきたので, お寺を後にしました。
なにせ, 2時間に1本しかない貴重な足ですからね、
帰りは, 下りの坂道ですので気が楽です。
途中, 眺めた瓶原(みかのはら)の里です。
バス停・海住山寺口発14:46のバスでJR加茂駅に向かいました。
今日もすばらしい観音さんに巡り会えてよかったです。
フォト; 2013年10月28日
岩船寺の次は浄瑠璃寺です。
歩いて行ける距離ですが, 歩くのは後程にまかせ, 1日フリ－乗車券を利用してバスに乗りました。
約 5～6分乗り浄瑠璃寺バス停で降りるとお茶屋や土産物屋が数軒あり, その間を通り抜け幅の
狭い真直ぐな参道を進むと正面に山門が見えます。
小ぶりの簡素な山門です。
浄瑠璃寺 山門 |
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山門をくぐり境内に入ると視界には緑に囲まれた池が。
阿字池(宝池, 苑池とも。)と言うそうです。
阿字池を挟んで右手(西側)に本堂, 左手(東側)に三重塔がある伽藍配置です。
さて, ここで浄瑠璃寺の起源ですが, 当寺に伝来する『浄瑠璃寺流記事』（じょうるりじるきのこと）という
14世紀の記録によると, 1047年(永承2年),僧・義明上人を開基(創立者)とし、薬師如来を本尊として
創建されたものであるという。
中世から近世にかけて興福寺一乗院の末寺であったが、明治初期、廃仏毀釈の混乱期に真言律宗に
改宗し,奈良・西大寺の末寺となった。
国宝・本堂(九体阿弥陀堂)です。
本堂(九体阿弥陀堂) (平安時代) |
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正面は池に面しています。
ここからの眺め，すばらしいでしょう。
阿字池と国宝・三重塔 |
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本堂には, 九体の阿弥陀如来像が横一列に安置されていました。
壮観ですね。
九体阿弥陀如来坐像 (平安時代・国宝)
[注] [南山城の古寺]㈱飛鳥園から抜粋 |
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本堂には他に, 特別開扉の吉祥天立像, 不動明王・二童子像, 地蔵菩薩立像,四天王像
のうち持国天像と増長天像等が祀られています。
いやあ, このお寺もすばらしい仏像の宝庫ですね。
吉祥天立像(秘仏)(鎌倉時代・重文)
<木造彩色 像高 90cm> |
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← ↓画像をクリックすると更に大画面でご覧になれます
地蔵菩薩立像(平安時代・重文)
<木造彩色 像高 157cm> |
←↑ 「南山城の古寺」㈱飛鳥園から転載 |
拙者, 吉祥天立像は教科書で見たことがありますが本物を見るのは初めてです。
さすがに女性の仏像で衣は美しい彩色が施されていました。
本堂を出て阿字池の正面にある三重塔を拝観。
三重塔 (平安時代 国宝) |
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初層内部には柱がなく, 心柱は初層の天井から立てられているそうです。
本日は三重塔の本尊・薬師如来坐像(重文)が特別開扉されていましたが, 内部が暗くて全く見えません
でした。
これでは, 特別開扉の意味がありませんよね。
ここから眺める本堂です。
少し紅葉し始めています。
約1時間程拝観して浄瑠璃寺を離れました。
浄瑠璃時から岩船寺にかけての一帯は, 当尾と呼ばれ, 石仏の里として知られる。
このひなびた風景が残る丘陵地の谷間や細い山道に多くの石仏, 磨崖仏,石塔などが点在する
という。
この地域, 花崗岩の岩盤が豊富だったからでしょう。
［注］磨崖仏(まがいぶつ); 自然の岩壁や露岩, あるいは転石に造立された仏像を指す。
と云うことで, 浄瑠璃寺から岩船寺までの約4Kmの山道を散歩がてら石仏を訪ねることにしました。
浄瑠璃寺から舗装された道を行くと, すぐに「藪の中三体仏」に出会います。
画像をクリックすると大画面でご覧になれます (以下, 同様)
「石仏めぐり」の道標に従って進むと, 道はゆるやかな山道となります。
やがて, 茂った葉影の岩肌に「からすの壺二尊」が。
道はここから上りの山道となります。
杉, 檜, 或いは広葉樹で覆われてうす暗いです。
しばらく歩くと「笑い仏(阿弥陀三尊磨崖仏)」。
名前の通り, 三尊とも柔和に微微笑んでいて巡拝者を癒してくれます。
次は「弥勒磨崖仏(ミロクの辻)」です。
岩盤が苔むしていて輪郭がわかりませんでした。
最後は「三体地蔵」です。
気がつくと汗ばんでいます。
このル－トは登り道でしたので, 今思えば逆のル－トの方が年寄り向きです。
岩船寺の里に到着です。
柿がたわわに実っていました。
今日もすばらしい仏像を堪能させていただきました。
明日は同じ加茂町にある海住山寺を予定しています。
浄瑠璃寺についてもう少し詳しくは下記のPictureをご覧下さい。
Picture / Pilgrimage to old temples / 「小田原山 浄瑠璃寺」
フォト; 2013年10月27日
続く Diary / No.571－2013.10.28 /
「南山城の観音さん巡り(その5) 海住山寺」・十一面観音菩薩立像」
一昨日, Mailのチェックを終えて椅子から離れようと立ちあがったところ腰がギクッときました。
いや～な予感です。
拙者, 腰痛持ちなんです。
少し, 痛みが走り, その痛みは残っています。
午前中, My Home Pageの更新中に, 更に痛みがひどくなってきました。
さっそく, 薬箱にあった鎮痛消炎シップで応急手当てです。
この腰痛, いつも季節の移り変わり, それも暖から寒への変わり目に出てきます。
腰を温めるためにカイロも貼りました。
しかし, そんな手当の甲斐も無く症状は悪化の一途をたどり, 歩行困難な程に痛みが増し,
ついに寝たきりになりました。
ベッドの上で寝がえりを打つのも必死の思いです。
トイレに行くのも這いつくばってです。
何をするにも支えがないと出来ません。
やはり, 歩く上で背骨は人間の大黒柱であることを痛感しました。
他人の腰痛の話は人事のように聞いていましたが, 自分の身になるとその辛さが身にしみて
わかります。
ラッキ－なことは, 横浜に戻っていたことです。
11/4日のセ－リングに参加するために。
おかげで, 女房の介添えが得られるので大助かりです。
昨日も一日中, 布団の中です。
痛みが引くのをじっと我慢して待つしかありません。
しかし, 一向にその気配がありません。
こんな状態では, とてもじゃないがセ－リングは無理と判断。
やむなく, セ－リングと11/13日の草津でのゴルフコンペにも不参加を表明。
寝ているのも辛いですネ。
新聞の隅々まで読んだのは初めてでしょうか？
女房も腰痛持ちで, 彼女の痛み止めの残がいを飲み様子を見ます。
医者に行くにも, 少しでも痛みが引いて歩けるようにならないといけません。
そして今日になり, 昨日より少し良くなり, 両手で腰を押さえるとそぞろ歩きが出来るように
なりました。
女房の介添えで医者に行くことにしました。
さて, その医者ですが, 5年前に市内の近くの整形外科に罹ったことを思い出しました。
このDiaryにもアップした記憶があり, その目次を辿ったところ5年前の9月4日のDiary.082
がそれです。
既に過去の診察券は捨てて有りません。
1度受診した旨を告げ保険証を提示すると, その時のカルテが残っているとのことです。
過去との比較が出来るので良かったです。
先ずはドクタ－に症状を説明。
X-線写真を撮って貰い，前回のデ－タと比較。
恐れていた腰部脊柱管狭窄症ではなかったです。
変形性腰椎症のままですが, 特に以前とは変わったところはないとのことです。
医者処方の経皮鎮痛消炎テ－プ, 飲み薬の消炎鎮痛剤/胃薬, コルセットを貰い様子を見る
ことにします。
しばらくの養生が必要のようです。
100歳まで生きる目標に黄信号ですが, 無理をしないように青信号になるまで待つ
つもりです。
TOPペ－ジへ戻る
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