1)拝観日； 2009.11.15(日)
2)所在地;滋賀県大津市園城寺町246
①(JR 東海道本線（琵琶湖線）大津駅→ 京阪バス三井寺下車すぐ)
②(京阪電鉄 石山坂本線「三井寺駅」下車，徒歩7分)
3)天 候; 快晴，気温、13℃
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| 三井寺付近地図 |
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三井寺-- 長等山園城寺について --
・山号； 長等山
・正式名； 長等山園城寺
・宗派； 天台寺門宗
・寺格； 総本山
・本尊； 弥勒菩薩
・創建年； 7世紀
・開基； 大友与多王
・中興年； 貞観元年(859年)
・中興; 智証大師円珍
・別称； 三井寺
・札所等； 西国三十三箇所14 番
西国薬師四十九霊場48 番
近江三十三観音5 番
・文化財； ・金堂、
・絹本著色不動明王像
黄不動）他8 件（国宝）
・梵鐘他（重要文化財）
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近江大津京ゆかりの古刹
667 年に天智天皇により飛鳥から近江に
都が移され、近江大津京が開かれました。
672 年、前年の天智天皇の永眠後、大友
皇子（天智天皇の子：弘文天皇）と大海人
皇子（天智天皇の弟：天武天皇）が皇位継承
をめぐって争い、壬申の乱が勃発。
壬申の乱に敗れた大友皇子の皇子の友与
多王は父の霊を弔うために「田園城邑（じょう
ゆう）」を寄進して寺を創建し、天武天皇から
「園城」という勅額を賜わったことが園城寺の
始まりとされています。
勝利をおさめた大海人皇子は再び飛鳥に
遷都し、近江大津京はわずか五年で廃都と
なりました。
三井寺の名の起こり
三井寺と呼ばれるようになったのは、天智・天武・持統天皇の三帝の誕生の際に
御産湯に用いられたという霊泉があり「御井の寺」と呼ばれていたものを後に
智証大師円珍が当時の厳義・三部潅頂の法儀に用いたことに由来します。
現在、金堂西側にある「閼伽井屋」から湧き出ている清水が御井そのものとされて
います。
苦難を乗り越えてきた不死鳥の寺
貞観年間(859～877)になって、智証大師円珍和尚が、園城寺を天台別院として
中興されてからは、東大寺・興福寺・延暦寺と共に「本朝四箇大寺（しかたいじ）」の一つに
数えられ、南都北嶺の一翼を担ってきました。
円珍の死後、円珍門流と慈覚大師円仁門流の対立が激化し、正暦四年（993）、円珍
門下は比叡山を下り一斉に三井寺に入ります。
この時から延暦寺を山門、三井寺を寺門と称し天台宗は二分されました。
その後、両派の対立や源平の争乱、南北朝の争乱等による焼き討ちなど幾多の法難に
遭遇しましたが、智証大師への信仰に支えられた人々によって支えられ、その教法は
今日に伝えられています。
－－以上，三井寺HPより抜粋－－
画像をクリックすると大画面でご覧いただけます
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三井寺の伽藍配置
<パンフレット「総本山園城寺
三井寺」からコピ－>
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参考； ①Wikipedia 「園城寺」
②パンフレット；「総本山園城寺 三井寺」
 Diary / No.209－2009.11.17 / 「滋賀・三井寺 & 新居の内装打合せ」
三井寺ホ－ムペ－ジ；http://www.shiga-miidera.or.jp/
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滋賀県草津市に建築中の新居の中間検査や内装の打合せのために，昨夜大津に来ました。
現地での中間検査は，本日の午後2 時からの予定です。
ということで，午前中は大津市にある『三井寺(長等山園城寺)』を拝観・散策してきました。
琵琶湖近くのホテルを出て5～6 分歩くと京阪電鉄 石山坂本線の石場駅です。
ここから三つ目の三井寺駅で降りました。
駅を降りると右手に川が流れています。
実は，この川は琵琶湖の湖水を京都市へ通ずるために作られた琵琶湖疎水でした。
大津市の取水口から三井寺のある長等山をトンネルで抜けて京都市まで流れているとのことです。
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| 京阪電鉄「三井寺」駅近くの琵琶湖疎水を眺める |
この疎水に沿って，歩いて7 分ほどで三井寺の総門に着きました。
ホテルで得た「三井寺」のパンフレットの参拝順路に従うことにしました。
総門から入らずに，ここから5分ほど右手に歩くと仁王門(重文)が目に入ってきます。
1，452 年(宝徳4 年)の建立。 屋根は「檜皮葺き（ひわだぶき）」です。
檜皮葺きだからでしょうか，屋根の軒反りが軽やかで天空に伸びています。
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| 三井寺の仁王門 |
浄域への表門として1，601 年(慶長6 年)，徳川家康により甲賀の常楽寺より移築，寄進された。
仁王門のそばには，三井寺境内の案内図があります。 大規模な伽藍配置です。
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| 三井寺の境内案内図 |
仁王門をくぐって左手の受付で拝観料を払って境内へ。
境内はみるからに広々としています。
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| 仁王門をくぐってすぐの三井寺の境内です。 |
仁王門をくぐってすぐ右手にある「釈迦堂（重文）」は，室町初期の建築で、中世寺院の食堂の様式を
伝える･･･とありましたが、残念ながら修復工事中でした。
参道を真っ直ぐ進んで石段を上がると三井寺の総本堂の金堂(国宝)が佇んでいます。
これも，ご覧のとおりの檜皮葺きで，反りかえった屋根の曲線美がビウティフルですネ。
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| 金堂(本堂・国宝) |
本尊の弥勒菩薩は，天智天皇が信仰されていた霊像で，秘仏として静かにまつられています。
現在の建築は，豊臣秀吉の北政所により1，599 年(慶長4 年)に再建されたもので，桃山時代を代表する
名建築として知られています。
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本堂内部には，平安・鎌倉・室町・江戸時代に造られた素晴らしい仏像が内陣に沿ってずらりと展示されて
いました。
阿弥陀如来，釈迦如来，十一面観音菩薩，聖観音菩薩，千手観音，大日如来，愛染明王，不動明王，－－。
さすがは，大寺院です。
本堂正面の右手前には，近江八景の「三井の晩鐘」で知られる鐘楼(重文)があります。
1，602 年(慶長7 年)の再建です。
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| 三井の晩鐘(重文) |
宇治の平等院，高尾の神護寺と共に日本三名鐘に数えられ，荘厳な音色は有名で，「日本に残したい音風景
百選」にも選ばれています。
本堂脇に「閼伽井屋（あかいや）」があります。
ここで湧き出る泉が，天智，天武，持統の三天皇の産湯に用いられたと伝えられています。
ゴボゴボッと泉がわき出る音が響いていました。
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| 閼伽井屋(三井の霊泉・重文) |
泉を護る建物は，1，600 年(慶長5 年)の建立。正面上部には、左甚五郎作とされる龍の彫刻もありますので、
お見逃し無く！
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| 閼伽井屋の説明板 |
閼伽井屋の正面 |
閼伽井屋内部の泉 |
金堂から順路に従って石段を上がって行くと，「弁慶の引摺り鐘」伝説で知られる梵鐘を祀った「霊鐘堂（重文）」に
着きます。
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奈良時代の梵鐘で、三上山の百足退治のお礼に竜宮から持ち帰った鐘とも伝えられています。
このすぐ上には，三井寺の「一切経蔵（重文）」てす。
室町初期の建築で，1，602 年(慶長7 年)に戦国大名・毛利輝元によって、山口県・国清寺より移築・寄進
されたもの。
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| 一切経蔵（重文） |
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| 一切経蔵の説明板 |
一切経を収める
回転式の八角輪蔵 |
近くの紅葉林 |
輪蔵には，高麗版の一切経が納められています。
鎌倉の長谷寺の輪蔵(まわり堂)を思い出しました。
あちらでは，自分で回転してきましたが---。
少し進むと，三井寺の唐院(重文)と呼ばれる一角があります。 開祖・智証大師円珍の廟所です。
大師堂，潅頂堂，春日護摩堂，三重塔からなります。
前方右手には三重塔が見えます。
1，601 年(慶長6 年)，徳川家康により寄進された。
もとは奈良県・比蘇寺の東塔で，室町初期の建築。
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| 三重塔(三門三重の塔婆の形式) |
三重塔の由緒 |
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 一切経堂から眺めた
三重の塔 |
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| 三重塔 |
画像をクリックすると大画面でご覧になれます。
手前に見えているのが「潅頂堂」で、その隣に「護摩堂」が、裏手には「大師堂」が建っています。
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| 唐院の潅頂堂(寺流の密教を伝承する道場) |
灯篭が立ち並んだ唐院前の参詣路です。美しいですネ。
唐院の参詣路の石畳を降りて，村雲橋を渡り真っ直ぐ進むと三井寺の別所「微妙寺」に来ます。
本尊は十一面観音(重文・平安初期)です。
残念ながら，この日は大津歴史博物館の催しのため出張中でお留守でした。
現在は，湖国十一面観音霊場の第一番札所となっています。
ここからゆるやかな砂利道の坂道を歩くと毘沙門堂(重文)が右手に見えます。
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| 毘沙門堂(重文) |
1，616年(元和2年)の建立で，ご覧のように極彩色の優美な建築です。 美しいですネ！
この辺りは，モミジ(カエデ)の並木道で，真赤に紅葉していました。
近くの石段を上がると、西国三十三所観音霊場の十四番札所「三井寺観音堂」が見えてきます。
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| 観音堂に至る石段 |
観音堂(県指定文化財)です。
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| 西国三十三所観音霊場の十四番札所「三井寺観音堂」 (1，689年(元禄2年)再建) |
本尊は如意輪観音坐像(重文・平安時代・10 世紀)です。
この秘仏は，33 年に一度しか公開されないですが、今回は花山法皇の千年忌を記念して、
予定を2年前倒しし、31 年ぶりのご開帳となりました。 ラッキ－でした。
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| 如意輪観音坐像(秘仏・重文・平安時代) |
ご本尊御開帳のポスターに写っていた如意輪観音です。
観音堂手前の礼堂に上がり，内陣の奥まで進み，ご本尊を目の前で拝ませていただきました。
本尊は一面六臂の像容で、寄木造、彫眼、漆箔像です。
円みのある顔を右に傾け、右手一手の指の甲を頬に当て、右膝を立てる姿はホントに優美で端正ですネ。
琵琶湖を眺望する観音堂の境内には，諸堂が並び、伽藍を形成しています。
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| 観音堂の礼堂 |
百体堂
1，753 年(宝暦3 年) |
手水舎
1，881 年(明治14 年) |
絵馬堂
1，802 年(享和2 年) |
観月舞台
1，849 年(嘉永3 年) |
| 観音堂境内の諸堂 |
百体の仏像を祀る「百体観音堂」。 観音堂前にある「絵馬堂」。
もう絵馬は全く見えません。
ひときわ目立つ入母屋造・桧皮葺の舞台造の建物は、「観月舞台」。古来より観月の名所として知られてきた三井寺
にふさわしい優美な建物です。
この境内からも大津の町並みと琵琶湖の景観を望むことができますが，ここから更に上がった丘からの眺めの方が
素晴らしいです。
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| 大津の町並みと琵琶湖の眺望 |
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| 観音堂の境内を見下ろす |
拝観順路もいよいよ終局に近づいてきました。
観音堂から駐車場方面への順路には、西国薬師四十九霊場の札所になっている「水観寺」がありました。
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| 西国薬師四十九霊場の第四十八番札所・水観寺 |
1，655 (明暦元年)の建物です。 本尊に薬師如来を祀り、西国薬師四十九霊場の第四十八番札所となって
います。
こんなに大きなお寺とは思ってもいませんでした。
境内が広くて、結構歩きました。 見どころの多いお寺で，とにかく楽しかったです。
紅葉も堪能させてもらいました。 あっという間に2時間以上が経っていました。
仁王門の左手にある「れすとらん風月」で女房と小休止。
甘酒で体を温めてから，大津駅に戻り草津へ向かいました。
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