JR びわこ線(東海道線)河瀬駅から近江バスのシャトルバスで約20 分強で西明寺に着きました。
祝日とあって，お寺の前の駐車場には観光バスで一杯でした。
西明寺は湖東三山の一つで以下のようなお寺です。
龍應山西明寺について
・山号； 龍應山
・正式名； 龍應山 西明寺
・宗派； 天台宗
・本尊； 薬師如来立像
・創建年； (伝)834年(承和元年)
・開基； (伝)三修上人
・札所等； 湖東三山
西国薬師四十九霊場第32番札所
神仏霊場滋賀第4 番霊場
・文化財； ・本堂，三重塔(国宝)
・二天門，薬師如来立像 他
（以上，重文）
・本坊庭園（名勝）
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寺伝によると834 年(承和元年)、三修上人の創建という。
836年(承和3年)には仁明(にんみょう)天皇の勅願寺となり、
寺領が寄進され、諸堂が建築されたという。
近江地方の他の多くの古寺と同様、西明寺も平安時代から
中世へかけての歴史は必ずしも明らかではない。
しかし、現存する本堂、三重塔は鎌倉時代の本格的な建築
であり、この頃にはかなりの規模を有していたと思われる。
1571年(元亀2年)、比叡山延暦寺の焼討ちを行った織田
信長は、近江国にある比叡山傘下の天台寺院をも焼き払う
ことを命じ、西明寺も信長配下の武士によって焼討ちの運命
にあった。
しかし、寺僧の機知により、山門近くの房舎を激しく燃やし、全山焼失のように見せかけたため、
山奥に位置する本堂や三重塔は焼失をまぬがれたという。
この兵火の後は荒廃していたが、徳川家などの庇護を受けて徐々に復興し、近代に到っている。
－－以上，Wikipedia から抜粋。－－
湖東三山の二寺と同様に、山門は西に面し、そこから長い石段を上がった先に本堂が建つ。
本堂へ向かう石段の途中左側には池泉観賞式の庭園をもつ本坊がある。
(注)本坊; 住職の住む僧坊のこと。
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西明寺の伽藍配置
＜パンフレット「西明寺」＞より
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参考； ①Wikipedia 「西明寺」
②パンフレット；「龍應山 西明寺」
 西明寺ホ－ムペ－ジ；http://www.saimyouji.com/
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R307沿いに西に面して山門が佇んでいます。
山門をくぐって受付で拝観料を奉納。
参道を進んですぐ左手の庭に「不断桜(フダンザクラ)」が咲いていました。
何と紅葉と桜，不思議ですね。
不断桜
(天然記念物) |
250年の古木。例年9月上旬に咲き始め、
11月には満開となり、紅葉の時期に季節は
ずれの花見を楽しむことができる。山桜か
彼岸桜の一種である。 |
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石の階段の参道を進みます。
苔むした石垣が続き,その両側には背の高い杉の木や楓(カエデ)が空を遮り，その楓は黄色や
紅色に周りを染め，ひときわ色鮮やかでした。
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更に急な参道を上っていくと高台に出ます。
左手の門をくぐると，名勝庭園「蓬莱庭(ほうらいてい)」でした。
本坊庭園
「蓬莱庭」
(名勝) |
江戸初期延宝年間の友閑の作庭とのこと。
池は心字池になっている。 |
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池泉観賞式の庭園で，下の写真にあるように山の傾斜をうまく利用した調和のとれた庭園でした。
ここの紅葉もワンダフルでした。
更に石畳の参道を上がって行くと，二天門手前右側に千年夫婦杉がありました。
その由緒は，下のサムネイル写真をクリックしてご覧下さい。
樹齢約 1000 年 |
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急峻な石段を上がると，やっとのことで二天門に着けました。
両側に二天即ち持国天と増長天が忿怒(ふんぬ)の形相でお寺を守っていました。
二天門
(重文) |
入母屋造、柿(こけら)葺き(注3)。
応永14年(1407年)の墨書があり、その頃の
建築と思われる。
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(注3)柿(こけら)葺き; 屋根葺き手法の一つで、木材の薄板を用いて施工する。
日本に古来伝わる伝統的手法で、多くの文化財の屋根で見ることができる。
二天門をくぐって左手に手水舎(ちょうずや)がありましたので，この洗心水で手や口を清めて本堂に
お参りです。
二天門の正面が国宝の本堂です。
戦国時代に織田信長の比叡山焼き討ち後このお寺も焼き討ちに遭ったが，本堂・三重塔・二天門は難を
免れたとのことです。
鎌倉時代初期飛騨の匠が建立した釘を一本も使用していない純和様建築が特徴の一つです。
本 堂
(国 宝) |
入母屋造、檜皮葺き。鎌倉時代前期の和様
建築で、蟇股(かえるまた<注1>)や吹き寄せ
菱格子欄間<注2>等の鎌倉時代の様式が
保存されている。
中世天台仏堂の代表作として国宝第一号に
指定された。
内陣中央厨子には、本尊薬師如来立像(重文、
秘仏)を安置し、左右に脇侍の日光・月光菩薩
像が、その左右に十二神将像、二天王像(重文)
などを安置している。
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<注1>蟇股(かえるまた);
社寺建築で梁(はり)や桁(けた)の上に置かれる、蛙が股を開けたような輪郭をした部材。
構造上必要な支柱であったが、のちには装飾化した。
厚い板状のままの板蟇股と、内部をくりぬいて透かせた本蟇股とがある。
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| 西明寺本堂の蟇股(その1) |
西明寺本堂の蟇股(その2) |
西明寺本堂の蟇股(その3) |
<注2>吹寄せ菱格子欄間；
天台密教の典型的な仏堂に見られる菱格子の欄間と吹き寄せの格子戸によって内陣と外陣を区切る様式。
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御前立
薬師瑠璃光如来立像
江戸時代
ヒノキ一本造
＜西明寺HPから＞ |
本尊の薬師如来立像は秘仏のため公開されていません。
その代わりに，今年は寅年であるため御前立の秘仏 薬師瑠璃光如来立像(虎薬師)が
ご開帳されていました。
この薬師如来は、彦根藩4 代目藩主、井伊直興公寄進による虎に乗った薬師如来で、
古来より虎の生命力、強さでもって病気を平癒させると言われているとの説明でした。
本堂の右手には国宝の三重塔が建っています。
屋根が大きく反って安定感があり，均整のとれた優美な塔でした。
三重塔
(国 宝) |
鎌倉時代中期～後期の建築とされ、檜皮葺き、
総檜の和様建築で釘を使用していないのが特
徴です。 塔の高さは、23.7m。
初層内部には大日如来像を安置し、内部の柱
や壁面には極彩色で仏・菩薩、牡丹、鳳凰などが
描かれている。
壁面の主題として、内部の4本の柱には両界曼
荼羅(りょうかいまんだら)のうち金剛界曼荼羅成
身会(じょうじんね)の三十二菩薩を表し、壁面の
八面には法華経二十八品(章)の説話を表して
いる。 これらは国宝建造物の一部であるととも
に、絵画として別途重要文化財に指定されて
いる。
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そして,三重塔の手前右手に鐘楼です。
鐘楼も紅葉で覆われていました。 ホントに素晴らしい眺めでした。
シャトルバスは，一時間に一本です。
次に拝観する金剛輪寺へのバスに乗り遅れないように下山しました。
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