壬生寺の概要は以下のようなものです。
壬 生 寺
・正式名；心淨光院 宝憧三昧寺
・宗派； 律宗 大本山
・本尊； 地蔵菩薩立像
・創建年；991年(正暦2年)
・開基； 快賢
・文化財; 木像地蔵菩薩立像
(唐招提寺旧蔵 平安時代)
錫杖(しゃくじょう)
列伝図屏風(長谷川 等伯筆)
壬生寺大念仏堂(狂言舞台)
(以上重文)
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寺伝によれば, 正暦2年(991年)三井寺の快賢
僧都により創建され,古名を地蔵院,宝憧三昧寺
などと呼ばれていた。
その後,火災により堂宇を焼失したが,正元
元年(1259年)平政平により復興され,
さらに正安2年(1300年) 円覚上人が,仏の教え
を無言劇に仕組んだ,壬生狂言(重要無形民俗
文化財)を創始し大いに栄えた。
天台僧侶の快賢が開基したことから当初は天台
宗であったが,中興した円覚上人により律宗へ改宗された。
昭和37年(1962年) に本堂が焼失し,本尊地蔵菩薩半跏像を含む多くの寺宝を失った。
新しい本尊延命地蔵菩薩立像(重文)が,律宗総本山・唐招提寺から移され,昭和45年
(1970年)に再建された。
また,境内北にある壬生狂言を演じる舞台,大念仏堂(重文)は,安政3 年(1856年) の
特異な建造物である。
当寺境内は,新撰組が大砲や剣術・馬術の訓練をした場所として有名であり,壬生塚には
近藤勇の胸像,芹沢鴨らの墓塔がある。
池田屋騒動があったと言われる7 月16 日には,毎年,慰霊供養祭が行われる。
旧本堂は1962 年,放火で全焼し,現在の本堂は1970 年(昭和45年)の再建である。
境内には他に大念仏堂(狂言舞台,重文), 近藤勇銅像,壬生塚,千体仏塔
(パゴダ様式の仏塔に1000 体の石仏を円錐形に安置したもの)などがある。
<参考>① 壬生寺HP－http://www.mibudera.com/－
② Wikipedia－壬生寺－
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JR京都駅前から京都市バスで10 分程で「壬生寺道」バス停に着きます。
ここから坊城通りを南へ200 m 程歩くと壬生寺の総門です。
途中,新選組 壬生屯所遺蹟(八木邸)がありましたが,壬生寺拝観後に訪れることにしました。
残念ながら,総門は保存修理工事中でした。
寛政11年(1799年) の再建で壬生寺の正門です。
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総門 (工事中/フォト; 2013.03.09) |
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総門 (工事前/フォト; 壬生寺HP から) |
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総門をくぐって正面に本堂です。昭和45年(1970年) に再建されたものです。
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← 阿弥陀堂
平成14年(2002年) の再建である。
阿弥陀如来三尊像（阿弥陀,観音,勢至）が
安置されている。
この阿弥陀堂の奥に、壬生塚（新選組隊士
墓所）がある。 |
辨天堂 →
明治27年(1894年)の再建である。
本尊の秘佛・辧財天は、清水寺の延命院
より移されたもの。 |
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← 水掛地蔵堂
このお堂の地蔵菩薩(石仏)は江戸
時代中期の作で,「水掛地蔵」と呼ばれ,
水を掛けて祈ると,一つの願いが叶うと
信じられている。 |
鐘 楼 →
嘉永4年(1851年)の再建である。
梵鐘は,嘉永元年(1848年)に鋳造された
ものである。
毎年8月9日・10日の精霊迎え鐘や,また
大晦日の除夜の鐘として,一般希望者が
撞くことができる。
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← 千体仏塔
平成元年(1988年)に建立された。
この塔の石仏は明治時代,京都市の
区画整理の際に各地から集められた
もの。
室町時代からの阿弥陀如来像や地蔵
菩薩像など丁度１000 体が,ミャンマーの
パゴダに似て円錐形に安置されている。 |
夜泣き地蔵 →
阿弥陀堂の向かって右にある地蔵菩薩
(石仏)は,「夜なき地蔵」と呼ばれ,病気平癒
や幼児の夜泣き止めにご利益があると言わ
れている。
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← 中 院
壬生寺に唯一残こる塔頭であり,
現在の御堂は文政12年(1829年)の
再建である。
洛陽三十三観音霊場第二十八番
札所の本尊である本尊の十一面観音
菩薩（鎌倉時代作）は,福寿無量のご
利益があり健康長寿に霊験あらたか
な観音である。
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阿弥陀堂から朱色の橋を渡って池の中の島に入ると壬生塚(新撰組隊士の墓所)です。
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新選組局長・近藤 勇の胸像と遺髪塔,新選組屯所で暗殺された隊士・芹沢鴨と平山五郎の墓,勘定方・
河合耆三郎の墓の他、隊士7名の合祀墓がある。
その合祀墓には池田屋騒動で亡くなった隊士・奥沢栄助,安藤早太郎,新田革左衛門らも葬られている。
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近藤勇之像
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新選組隊士の墓石
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芹沢鴨と平山五郎の
墓石の説明板 |
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誠 新選組顕彰碑
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ここには,歴代住職の供養塔も。
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いゃあ,こんなのもありました。 なつかしいですね。
壬生寺を後にして, 次は壬生屯所跡の見学です。
正門前の坊城通りの北,和菓子店「京都鶴屋」の奥に, 屯所跡の一つ八木邸があります。
新選組遺蹟 |
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新選組屯所遺蹟 |
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新選組発祥の地(八木家)説明板 |
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抹茶付きで入場料が1000 円で高かったですが, 入りました。
歴男は金に糸目をつけてはいけませんね。
内部は写真撮影禁止ですので, 写真付きでご案内出来ないのが断念です。
ベテランの説明員から,当時の時代背景を含め詳しく説明して下さいました。
説明によると,以下の通りです。
新選組は,文久2 年(1862年)幕府が上洛する14 代徳川家茂の警護の為に集めた浪士隊が
前身です。
翌,文久3 年(1863年),上洛した浪士達は,ここ壬生村に宿所を求めたが,間もなく江戸に呼び戻さ
れることになる。
しかし,その中で八木家を宿所としていた芹澤鴨,近藤勇,土方歳三,沖田総司,平山五郎等の13名は
浪士隊から分かれて京に残り、京都守護職松平容保のお預かりとする形で同年3月新選組が結成
された。
八木家の右門柱に,松平肥後守御領新選組宿という新しい表札が掲げられたとのことです。
奥座敷は新選組内部抗争による芹澤鴨暗殺の場となり,文久3 年9 月の深夜に芹澤鴨, 平山五郎
ら4 人が斬殺されました。
鴨居にその時の刀傷の一部が残っています。
その後,局長近藤勇,副長土方歳三の体制で, 主に京都の治安を守る為の警察活動に従事した。
彼らを一躍有名にしたのが元治元年(1864年) 7 月8 日の｢池田屋事件｣です。
過激派浪士が都に火をかけ,その混乱に乗じて天皇を長州に拉致するという計画を企てていた。
それを察知した近藤らは､木屋町三条の池田屋を襲撃,7人を斬殺,23人を捕縛しました。
彼らの活躍により, 京の都が火の海にならずにすんだのです。
慶應元年(1865年)夏,壬生が手狭になってきたのを理由に西本願寺に屯所を移しました。
その後、鳥羽伏見の戦いで敗れるまで壬生を洋式調練の場所にするなどして江戸に下る 最後まで
深い繋がりがあったとのことです。
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まだまだ, 説明員さんのお話は続くのですが, 本日のメイン・イベントである義兄の退職記念最終講義の
開始時間も迫ってきました。
已むなく八木家を離脱して同志社大学へ向かいました。
ペリ－の浦賀来航を契機に, 開国か攘夷か, 国論を二分し, 若きも老いもそれぞれの思想が良かれと
信じて命がけで行動した, そんな迫力のある歴史の一コマを垣間見た気がしました。
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