観心寺の概要は以下のようなものです。
檜尾山 観 心 寺
・山号; 檜尾山(ひのおざん)
・宗派; 高野山真言宗
・本尊; 如意輪観世音菩薩坐像
・創建年;天長4年(827年)
・開基; 僧・実恵(じちえ)
・文化財; 金堂(国宝),建掛塔,
訶梨帝母天堂(以上,重文)
如意輪観世音菩薩坐像(国宝)
地蔵菩薩立像, 聖観音4体,
木像十一面観音立像,
金銅観世音菩薩立像他多数
(以上,重文)
観心寺縁起資材帳(国宝)
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伝承では,文武天皇の大宝元年(701年),
役小角によって開かれ,初め雲心寺と呼ばれていた。
その後,平安時代の初め大同3年(808年)
に空海(弘法大師)がこの地を訪れ,境内に
北斗七星を勧請したという。
弘仁6年(815年9, 空海は再度この地を訪れ,
自ら如意輪観音像を刻んで安置し,「観心寺」
の寺号を与えたという。
空海は当寺を弟子の実恵に付属され,実恵は淳和天皇から伽藍建立を拝命し,その弟子
真紹とともに天長4年(827年)より造営を始めた。
以後,国家安泰と厄除祈願の寺として,また高野山と奈良・京都の中宿として発展する。
当寺は,楠木氏の菩提寺であり,楠正成および南朝ゆかりの寺としても知られている。
正平14年(1359年)には,当寺が後村上天皇の行在所となった。また,境内に後村上天皇
檜尾陵がある。
室町時代以降は,管領畠山氏や豊臣氏の庇護を受けて栄えた。
<参考資料>@ Wikipedia;「観心寺」
A パンフレット;「高野山真言宗 遺跡本山 観心寺」
現在の伽藍配置は以下の通りです。
画像をクリックすると大画面でご覧になれます
観心寺HPから転載 |
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南海バスでバス停「観心寺」で下車してバスの進行方向に少し歩くと,先ず目にするのが
「楠正成像」です。
その先の左手に山門が見えます。
観心寺 山門 |
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観心寺の由緒です。
鎮 守 堂 |
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山門をくぐり石段の参道を進むと, 途中に「鎮守堂」
(「訶梨帝母天堂」とも呼ばれる)が見えます。
・ 一間社春日造
・ 桧皮葺
・ 南北朝時代の後村上天皇により再興
・ 重文
更に石段の参道を上ると, 正面に国宝・金堂が佇んでいます。
国宝・金 堂 |
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・建立 ; 室町時代初期
・七間四方, 単層入母屋造
・和様, 禅宗様, 大仏様の折衷様式
・本尊 ; 秘仏, 如意輪観音菩薩坐像
・豊臣秀頼の時, 江戸時代中期, 明治
初め, 昭和の初め, 昭和59年とたび
たび修理されている。
秘仏, 如意輪観音菩薩坐像は, 毎年4月17日と18日にご開帳される。
日本三大如意輪観音(奈良県室生寺, 兵庫県神咒寺)の一つである。
・金堂内陣の厨子内に安置される。
・平安時代前期・9世紀の作。
・像高 ; 108.8 cm
・六臂の密教彫像
・カヤ材の一木造
(但し,頭と体の主要部)
各腕などは別材。
国宝指定名称は「木造」となっているが,
乾漆技法が併用され,木屎漆を厚く盛り
あげて,肌の柔らかい感触を表現して
いる。
・光背は二重円相部分は平安時代のもの
だが,像と一具ではなく,他の像の光背
を転用したものと推定されている。
・脇侍 ; 不動明王と愛染明王
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国宝・秘仏・如意輪観世音菩薩坐像 |
じっと眺めていると, 官能的な世界に引きずりこまれそうです。
神秘的, 耽美的, 幽玄の世界といった形容詞がぴったりの観音さんでした。
金堂の東側に「建掛塔」があります。
楠正成が報恩のため三重塔を建立するつもりだったが, 湊川にて討ち死にしたため未完成の
ままで、その名の通り建て掛けの塔です。
一層のままで今に残っています。
梵鐘です。
建掛塔の前に杉の木を囲った一角があります。
「星塚」と呼ばれるものです。
星塚(破軍星)
金堂をとりまく七つの星塚(北斗七星)の
一つ。
弘法大師が厄除けのために本尊と一緒に
おまつりしたものです。
本尊を中心として周囲に北斗七星の
星塚を配置し、七星如意輪曼荼羅を構成
している星塚には,梵字の入った岩が祀ら
れているそうです。
昔から、この星塚を一巡することで、
その年の厄が払われると云われています。
星塚があるのは日本で観心寺だけとの
ことです。
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星塚の左手に「修行大師像」があり、その奥の小高い場所に「御影堂」と「役 行者堂」
が建っています。
伝承によると,観心寺の前身は役小角により開かれた雲心寺とのことです。
「役 行者堂」は彼を祀ったお堂なんでしょうか? 簡素な造りです。
[注]役小角 ; 飛鳥時代から奈良時代の呪術者である。修験道の開祖とされている。
後の平安時代に山岳信仰の隆盛と共に, 役行者(えんのぎょうじゃ)と呼ばれるようになった。
ここから更に東へ歩くと, 楠正成首塚です。
正成が湊川の戦いで戦死後に足利尊氏の命により首が返され、祀っている所です。
首塚のすぐ近くには開山堂(本願堂)が。
山頂にあるので足を運んでいませんが,境内には後村上天皇檜尾陵があるそうです。
第97代天皇。 後醍醐天皇の皇子。
正平14年(1359年)に当寺が後村上天皇の行在所となったとのことで, その縁の地に造られ
たのでしょう。
最後は霊宝館で沢山の平安期の木造仏などを拝観。
ここも,仏像の宝庫でした。
その内の一つ, 後村上天皇念持仏と伝わる厨子入木造愛染明王
坐像(像高6.2 cm, 重文)をご案内してお別れとしましょう。
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