海龍王寺について
・山号； 佐保山
・別称； 隅寺
・正式名； 海龍王寺
・宗派； 眞言律宗
・本尊； 十一面観音菩薩立像
・創建年； 8世紀前半
・開基； (伝)玄昉，光明皇后(発願)
・文化財；五重小塔(国宝・奈良時代)
十一面観音立像(重文)鎌倉時代
舎利塔(同)鎌倉時代
西金堂(同)奈良時代
経堂(同)鎌倉時代
寺門勅額(同)奈良時代
文殊菩薩(同)鎌倉時代 他
|
海龍王寺のある一画は、かつては藤原不比等の邸宅で
あった。
養老4年（720年）の不比等の死後、邸宅は娘の光明皇后
が相続して皇后宮となり、天平17年（745年)にはこれが
宮寺（のちの法華寺）となった。
海龍王寺は，別名「隅寺」と呼ばれるが，これは皇后宮
（藤原不比等邸跡）の東北の隅にあったことから付けられた
名称と言われている。
「隅寺」の創建について、伝承では天平3年（731年)、光明
皇后の発願で建立され、僧・玄昉が初代住持となったという
が、このことは正史に記載がなく、創建時期や事情について
正確なところはわかっていない。
なお、海龍王寺境内からは飛鳥時代から奈良時代前期の古瓦が出土しており、平城京遷都以前に
何らかの前身建物が存在した可能性が指摘されている。
海龍王寺という寺号は、海龍王経という経典にちなむものだが、いつごろからこの寺号が使われる
ようになったのかは定かでない。
玄昉が遣唐使として唐から日本への帰途、暴風雨に遭った際に海龍王経を唱えて救われたという
伝承もある。
鎌倉時代になると真言律宗を開いた興正菩薩叡尊により伽藍の大修理を受けると戒律の道場や
勉学所として栄え、鎌倉幕府からは関東御祈願34 箇寺に選ばれました。
明治以降は廃仏毀釈の嵐に飲み込まれ境内の荒廃が進み、無住の時期が続いたが、昭和28年
（1953年）に住職が着任し、昭和40年から42年にかけて堂宇の修理、境内の整備が行われた。
奈良時代の海龍王寺には、小規模ながら、中金堂（ちゅうこんどう）、東金堂、西金堂の3つの金堂が
あったことがわかっている。
伽藍配置は、中門の左右から発した回廊が伽藍主要部を方形に囲んでいた。
現存する西金堂は、位置、規模等は奈良時代のままであるが、鎌倉時代に再建に近い修理を受けて
おり、主要な部材はおおむね鎌倉時代のものに代わっている。
中金堂の旧地には本堂が建ち、東金堂は明治時代初期に失われた後、再建されていない。
参考；①Wikipedia；「海龍王寺」
②パンフレット；海龍王寺の縁起
 ③海龍王寺HP； www.kairyuouji.jp/
Diary / No．299－2010.09.19 / 「平城宮跡と周辺寺院散策－－海龍王寺－－」
|
