岩船寺の概要は以下のようなものです。
高雄山 岩 船 寺
・山号; 高雄山(こうゆうざん)
・宗派; 真言律宗
・本尊; 阿弥陀如来坐像
・創建年; (伝)天平元年(729年)
・開基; (伝)行基
・文化財; 三重塔、十三重石塔、
五輪塔、石室、
木造阿弥陀如来坐像、
普賢菩薩騎象像,
石室不動明王立像
(以上、重文)
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加茂町南部、南当尾一帯は古く「小田原」
とよばれ、仏教文化が花開いたところという。
寺伝(岩船寺縁起)では,奈良時代の
天平元年(729年), 聖武天皇の発願により
行基が鳴川の地に建立した阿弥陀堂がその
前身である。
その後空海（弘法大師）が善根寺（鳴河
寺）を建立。
空海の甥であり弟子でもあった智泉が、嵯峨
天皇の皇子誕生を祈願して、善根寺の東禅院灌頂堂に報恩院を建立。
その報恩院を弘安2年（1279年）に現在地に移し同8年,（1285年）に落慶供養を
行ったのが岩船寺であるという。
盛時には堂塔39を数え, 偉容を誇ったというが, 承久の乱(1221年)の兵火でその
多くを消失した。
以上は伝承であり定かではない。
「岩船寺」の寺号の存在を示す最も古い記録は, 寺の西方にある岩船不動明王磨崖
仏（通称一願不動）の銘記で, そこには弘安10年（1287年）の年記とともに「於岩船寺
僧」の文字がみえる。
この年号は, 上記寺伝にいう岩船寺落慶供養の年（弘安8年・1285年）に近く, 鳴川に
あった「報恩院」がこの頃現在地に移った可能性を示唆している。
江戸時代には, 興福寺の末寺であったが, 明治14年に真言律宗西大寺の末寺になり
現在に至る。
<参考資料>① Wikipedia；「岩船寺」
② パンフレット；「真言律宗 岩船寺」
現在の伽藍配置は以下の通りです。
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参道を進むと簡素な山門が見えます。
山門に通じる石段手前の左側の道端にこんなものがあります。
堂塔39坊の僧が身を清めたという「石槽（石風呂）」(鎌倉時代)です。
巨岩をくりぬいて作られており, 縦約2m, 横約1m。
この岩船(いわふね)が「岩船寺」の名前の由来になったといわれる。
山門を潜ると右手に庫裡そして本堂があります
昭和63年(1988年)に再建された本堂です。
本堂内部を拝観です。
正面に須弥壇があり, 中央には丈六の堂々たる本尊・阿弥陀如来坐像を安置する。
像高約3m, ケヤキの一本造り。 像内の墨書銘から天慶9年(946年)の制作。
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←↑阿弥陀如来坐像(平安時代,
重文)と四天王立像(鎌倉時代)
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本尊の周りを持国天(東方), 増長天(南方), 広目天(西方), 多聞天(北方)の四天王立像が
守る。
像高160cm余。ヒノキの寄木造り。 多聞天の岩座裏に鎌倉時代の正応6年(1293年)の墨書
銘がある。
本尊の後ろ側の回廊部に回ると多くの仏像が祀られています。
今日のお目当ての十一面観音菩薩立像です。像高 55.5cm。
多くの重文の仏像さんの中では存在感が薄いようです。
十一面観音菩薩立像(鎌倉時代) |
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普賢菩薩騎象像(平安時代, 重文) |
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普賢菩薩騎象像は厨子内に安置されている。
像高約40cmの樟の一本造り。
目鼻立ちが優しい細身の体つき。 象に乗って合唱している姿であるが, 像は後補とのこと。
その他に, 室町時代の十二神将像, 薬師如来像, 釈迦如来像, 不動明王像などがある。
本堂を出て右手の阿字池の先に朱塗の鮮やかな三重塔が建っています。
この三重塔(室町時代, 重文)は, 高さ18.3m, 四方三間, 本瓦葺, 表面は板壁,鉄製の相輪
を持つ。
特徴は, 心柱が初層にはなく二層目に立てられていることである。
室町時代の嘉吉2年(1442年)の銘があることから, この時代の建立とされる。
平成(平成15年, 2003年の大修理により朱色に塗り替えられ, 内部の壁画・壁面も復原
された。
ラッキ－にも，今日は三重塔・初層が開扉され, 内部壁画を拝観出来ましたので紹介しま
しょう。
開扉された三重塔・初層 |
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画像をクリックすると大画面でご覧になれます
三重塔から眺めた本堂です。
境内には優れた石仏や石像建造物が残されています。
十三重石塔(鎌倉時代, 重文)です。
花崗岩製の笠石を13個積み重ねた石塔で塔高5.4m, 総高6.2m。
五輪塔(鎌倉時代, 重文)です。
花崗岩製, 総高2.35m, 東大寺別当でもあった中興開山, 平智僧都の墓と伝える。
石室不動明王立像(鎌倉時代, 重文)です。
花崗岩製で前面2本の角石柱を立て, その上に寄棟造り1枚石の屋根をかけた珍しい建築。
奥壁の1枚石には薄肉彫りの不動明王立像を祀る。
このお寺, 紫陽花の名所で「紫陽花寺(あじさい寺)」とも称される。
今は本堂前に菊が, 境内には真赤な実をつけた木が見られました。
紅葉にはまだ少し早かったです。
フォト; 2013年10月27日
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