道明寺の概要は以下のようなものです。
蓮土山 道 明 寺
・山号； 蓮土山(れんどざん)
・宗派； 真言宗御室派
・本尊； 十一面観世音菩薩立像
・創建年； 6世紀末
・開基； 土師連八嶋(はじのむらじやしま)
・文化財; 十一面観世音菩薩立像
(国宝)
木造十一面観音立像
(試みの観音)
木造聖徳太子立像
(以上,重文)
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寺伝によると, 7世紀中頃に「聖徳太子」の発願
により、「菅原道真」の先祖である豪族「土師連
八嶋」が自宅を寄進し、「土師寺」という土師氏の氏寺を建立したことが始まりとされています。
土師氏は大化の改新以前は, 古墳の造営や
埴輪の製作, 皇室の葬送儀礼にたずさわる氏族
であった。
創建当初、「土師寺」は広大な敷地に「五重塔」,
「金堂」,「講堂」が一直線に並ぶ「四天王寺式
伽藍配置」で、現在の「道明寺天満宮」の前方に
建っていました。
その後,平安時代に土師氏の子孫であり「菅原道真」の叔母「覚寿尼」が入寺し,
道真は土師寺にしばしば訪れ,36歳の時に本尊の「十一面観世音菩薩像」を刻んだと
伝えられています。
延喜元年(901年), 大宰府に左遷される道真がこの寺にいた覚寿尼を訪ね、
「鳴けばこそ 別れも憂けれ鶏の音の なからん里の 暁もかな」と詠み,別れを惜しんだ
と伝えられる。
これは, 後に人形浄瑠璃・歌舞伎の『菅原伝授手習鑑』「道明寺」の場にも描かれている。
菅原道真の死後, 遺品などを祀る「天満宮」を土師寺の北側に建立し,寺号を菅原道真
の号である「道明」にちなんで「道明寺」へと改められた。
天正3年(1575年)には, 高屋城の兵乱で天満宮を含む寺の大部分を焼失するが,後に
再興された。
明治5年(1872年)には, 神仏分離に従って道明寺天満宮境内から現在地に移転した。
京都の堂上公家(とうしょうくげ)出身の尼層の住職により代々守られている。
<参考資料>① Wikipedia；「道明寺」
② パンフレット；「河内国 道明寺 略縁起」
創建当初は, 南大門,三門, 五重塔, 金堂, 講堂等の伽藍配置だったと伝えられている。
現在の境内には, 本堂, 大師堂, 護摩堂, 庫裏, 楼門が建つ。
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近鉄南大阪線で「道明寺」で下車し,商店街を通り抜けて5分ほど歩くと,天満宮がありました。
天満宮に隣接して道明寺があるのだろうと思い境内に入ってみました。
この時期,境内は閑散としていました。
画像をクリックして大画面でご覧下さい (以下, 同様)
どこにも, お寺らしき建屋が見えなかったものですから一周して出ました。
後から分かったことですが,明治の神仏分離令まではこの境内に同居していたのですね。
ここから先に少し歩くと道明寺がありました。
道明寺・楼門です。
「道明寺」の扁額が懸っています。
道明寺・三門(楼門) |
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楼門の扁額(道明寺) |
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三門を入ると境内にはこんな風景がありました。
こじんまりしたお寺です。
石畳を前進すると左手に本堂です。
1919年(大正8年)の再建。
本堂には,いずれも菅原道真の作と伝わる十一面観世音菩薩立像2躰が安置されています。
1躰は本尊(国宝)であり, もう1躰は大宰府へ左遷される折り,当寺に立ち寄り一夜で彫ったと
伝わる「試みの観音」と呼ばれる像(重文)です。
道明寺・本堂 |
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本堂の扁額(観世音) |
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これが国宝・十一面観世音菩薩立像です。
・平安時代初期
・(伝)菅原道真公作
・カヤ材の一木造り
・彩色を施さない素地仕上げ
・像高; 98cm
・脇侍 (左手)毘沙門天立像
(右手)不動明王立像
いずれも,鎌倉時代の仏師・定朝の弟子の作
この観音さん, 秘仏ですが,他の多くの秘仏と異なり毎月
見られます。
毎月18日と25日にご開帳されるからです。
須弥壇の裏側に回ると沢山の仏像を拝観できました。
中央に大黒天。 向かって左側に増長天, 十一面観音坐像、
聖徳太子教養像(重文),チベット仏。
向かって右手には文殊菩薩, 釈迦如来, 普賢菩薩, 勢至菩薩, 興正菩薩が。
大師堂です。
道明寺・大師堂 |
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その他のお堂といえば護摩堂があるだけでした。
これで, 二日間連続のなにわの観音さん巡りを無事に終了し, 素晴らしい秘仏の観音さんと巡りあう
ことができました。
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