大覚寺の概要は以下のようなものです。
旧嵯峨御所 嵯峨山 大 覚 寺
・山号； 嵯峨山
・宗派； 真言宗大覚寺派
・寺格； 大本山
・本尊； 不動明王ほか五大明王
・創建年; 貞観18年(876年)
・開基; 嵯峨天皇
・正式名; 旧嵯峨御所大覚寺門跡
・別称; 大覚寺門跡、旧嵯峨御所
・文化財; 後宇多天皇宸翰御手印衣告地,
後宇多天皇宸翰弘法大師伝(国宝)、
正寝殿、絹本著色五大虚空蔵像、
木造五大明王像5躯ほか(重文)
御所跡（史跡）
大沢池（名勝）
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平安時代の初期に在位した嵯峨
天皇が離宮を営んでいた。
嵯峨天皇の信任を得ていた空海が、
離宮内に五大明王を安置する堂を建
て、修法を行ったのが起源とされる。
その後，貞観18年(876年),皇女の
正子内親王（淳和天皇皇后）が離宮
を寺に改めたのが大覚寺である。
淳和天皇の皇子（嵯峨天皇には孫
にあたる）恒寂（ごうじゃく）入道
親王を開山（初代住職）とした。
鎌倉時代になると、亀山法皇や後宇多法皇が入寺し、ここで院政を行った
ため嵯峨御所（さが ごしょ）とも呼ばれた。
亀山法皇・後宇多法皇の系統は当寺にちなんで「大覚寺統」と呼ばれ、後深草
天皇の系統の「持明院統」と交代で帝位についた（両統迭立）。
この両系統が対立したことが、後の南北朝分裂につながったことはよく知ら
れる。
元中9年(1392年),南北朝の和解が成立し、南朝最後の天皇である後亀山
天皇から北朝の後小松天皇に「三種の神器」が引き継がれたのも、ここ大覚寺に
おいてであった。
<参考資料>① Wikipedia；「大覚寺」
② パンフレット；「旧嵯峨御所 大本山 大覚寺」
皇室ゆかりの寺院である大覚寺には、宮廷風の建築や皇室ゆかりの建物を移築
したものが多い。
伽藍の中軸線上には南から勅使門（唐門）、御影堂、心経殿が建ち、御影堂の東に
五大堂、西に宸殿、宸殿の北側に正寝殿が建つ。
これらの建物の間は屋根付きの廊下で結ばれている。
伽藍の中心部に位置しているのは、本堂にあたる五大堂ではなく、嵯峨天皇ほかの
歴代天皇が書写した般若心経を収める心経殿である点が注目される。
伽藍配置はここをクリック。
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今日は中秋の名月とのことで，日本三大名月観賞地である大覚寺・大沢池を訪れました。
基本的な目的は，お月見なんです。
ＪＲ京都駅から市バス【大覚寺】行きに乗って大覚寺に向かいました。
途中，嵐山の渡月橋をわたりました。
３日前の台風18号による豪雨で渡月橋を中心にした両岸で浸水被害がありましたが, 秋の観光
シ－ズンを控え急ピッチで復旧作業が行われていました。
桂川の水量もだいぶ引きましたが，未だ泥水の状態で清流の面影はありません。
1時間強バスに揺られて大覚寺に着いたのが17時過ぎでした。
台風一過の後，雲ひとつない爽やかな秋空で絶好のお月見日和です。
観月目当ての参拝客で賑わっています。
拝観料500円を払って境内へ。
すぐ右手に大沢池が広がっています。
池の岸辺には観月を楽しむ舟でしょう，竜頭鷁首舟が2艘,出番を待っていました。
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この大沢池は，嵯峨天皇が離宮(現在の大覚寺)造営時に中国の洞庭湖をモデルにつくった「庭湖」と
呼ばれる日本最古の人工池(林泉)です。
中秋の名月に，大沢池を中心に「観月の夕べ」が催されているとのことです。
嵯峨天皇がここに舟を浮かべて文化人や貴族と遊ばれたことが始まりと言われています。
まだ観月にはちと早いので本堂などを拝観して時間潰しです。
池の前にある本堂の五大堂から拝観です。
 御影堂から眺めた五大堂 |
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 五大堂の由緒 |
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五大堂
嵯峨天皇が天下泰平・五穀豊穣を
祈念して建立。
江戸時代(天明年間)に再建された
ものである。
五大明王を祀る心経の本山。
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渡り廊下を伝って御影堂へ。
ここから南側正面に舞楽台をはさんで勅使門が見えます。
御影堂
嵯峨天皇・後宇多法皇・
恒寂入道親王・弘法大師
の尊像をお祀りしている。
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勅使門(内側) |
勅使門
四脚門，屋根は切妻造で、
銅板葺きである。
正面および背面に軒唐破風
を付けている。
江戸時代・嘉永年間の再建。 |
更に奥へ進むと正寝殿があります。
桃山時代様式の書院造り。 12の部屋に分かれ,それぞれの障壁画にちなんで「鷹の間」,「山水の間」
というような名がつけられています。
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| 正寝殿(重文)の説明 |
正寝殿御冠の間(後方に玉座が見える)を飾る桃竹図(狩野山楽筆,重文) |
そして各部屋には，元禄時代の代表絵師によるすばらしい障壁画で飾られています。
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腰障子に描かれた野兎の図
(渡辺始興筆,元禄時代) |
狩野派障壁画の特色の説明 |
狩野派の障壁画(水墨淡彩画) |
次に宸殿です。
江戸時代の延宝年間に後水尾天皇より下賜された寝殿造り建物です。
ここでも狩野派のすばらしい障壁画が見られました。
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| 宸殿(重文)の説明 |
牡丹図
(狩野山楽筆,桃山時代) |
柳松図
(狩野山楽筆,桃山時代) |
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一通り拝観しての感想ですが，寺院といえば仏像がイメ－ジされますが，このお寺では仏像を見る
機会が無く，その代わりに桃山時代～江戸時代中期の多くの代表的な障壁画を収蔵するお寺でした。
拝観を終えて大沢池に出ました。
池の周辺は沢山の観月客で混雑しています。
まだ，お月さんが出ていませんが，池では竜頭鷁首舟が観光客を乗せて遊覧していました。
琴が奏でられお茶席が設けられ，優雅なひとときが繰り広げられています。
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奥へ進むと,宝塔前の広場では模擬店も出ています。
お土産店には「月見団子」も並んでいます。
宝 塔 |
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模 擬 店 |
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18時頃に大沢池の彼方にまん円いお月さんが現れました。
日が暮れるにつれて次第にくっきりとしてきました。
静かな池の水面には月明かりが映えています。
すっかり夜の帳(とばり)がおりた大沢池の特設ステ－ジで満月法会が始まりました。
満 月 法 会 |
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この法会は，年に１度だけ中秋の名月にあわせて執り行われる行事だそうです。
ステ－ジに設けられた祭壇にお団子や芋，野菜などを供え,太鼓の乱打の中，僧侶の読経で五穀豊穣や
人々の幸せを祈願されました。
今宵は平安王朝絵巻さながらに,平成の一日貴族として優雅で稀有なひと時を堪能させていただきました。
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