1)日時； 2020.05.15(土)
2)見学場所； 丸太町通り 堺町御門付近
3)天候；快晴
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タイ・バンコックから休暇をとり帰国していた娘と彼女の友人，それに京都での同窓会に出るために
昨日から草津に来ていた女房と４人で葵祭の見学に行ってきましたのでご紹介しましょう。
快晴に恵まれ，汗ばむほどの暖かさでした。
京都市営地下鉄・1dayフリ−チケットを購入し，地下鉄・丸太町駅で下車，葵祭の出発地点である堺町御門近くで観覧です。
丸太町通りの歩行者道は，国際色豊かな見物客で延々と数珠つなぎでした。
毎年5月15日に行われる賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭で，祇園祭・
時代祭とともに京都三大祭の一つ。
古くは賀茂祭，また北の祭とも呼ばれ，平安中期の宮廷貴族の間では，単に”まつり”といえば，この葵祭の
ことであるといわれるほど有名であった。
賀茂祭が広く葵祭と呼ばれるようになったのは，江戸時代の元禄7年(1694年)の再興以降と考えられ，
当日は内裏宸殿の御簾をはじめ，御所車，勅使，供奉者の衣冠，牛馬にいたるまですべて葵の葉でかざる
ところからこの名があるとされている。
使用される葵はフタバアオイで，毎年両神社から御所に収められる。
平安時代以来，国家的な行事として行われてきたので，我が国の祭のなかでも，数少ない王朝風俗の優雅
な伝統が残されているということである。
今から約1,400年前欽明天皇(在位539〜571年)の頃に凶作が続いたため，賀茂皇大神の崇敬者だった
卜部伊吉若日子を勅使として，4月の吉日に馬に鈴をつけ，人に猪頭をかぶらせてこれを走らせ祭礼を行っ
たところ，風雨はやみ五穀は豊かに実り国民も安泰になったという。
また，嵯峨天皇の弘仁10年(819年)には，朝廷の律令制度として，最も重要な恒例祭祀(中祀)に準じて行う
という国家的な行事になった。
その後時代とともに盛衰があったが，明治17年旧儀に再興され，祭日も5月15日と定められた。
宮中の儀，路頭の儀(行列)，社頭の儀(両神社の神前での儀式)の三つからなるが，現在は路頭の儀と社頭
の儀が行われている。
行列は，第一列(検非違使・山城使など)，第二列(馬寮使・牛車など)，第三列(舞人・近衛使など)，第四
列(陪従・内蔵使など)からなる本列に，斎王列が続きます。
総勢511名，馬36頭，牛4頭，牛車2基の行列は，先頭から最後尾まで約1Kmに及び，平安朝貴族そのまま
の姿で京都御所の建礼門を出発する。
そしてその列が市中を練り，下賀茂神社を経て上賀茂神社へと向かいます。
京都府警の騎馬警官に先導されて路頭の儀の行列がやってきました。
本列の先頭は乗尻と云って，行列を先導する左右各3騎の騎馬隊で上賀茂神社の競馬会
の騎手です。
古くは，六衛府の衛士がこれに当たったという。
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| 乗尻(のりじり) (競争相手の為，左方と右方で衣装が異なる） |
次は検非違使志です。
検非違使庁の役人で、警察司法の担当者。志は長官より四番目の役，六位の武官。
舎人（とねり）の引く馬に騎乗し、看督長（かどのおさ）、火長（かちょう）、如木（にょぼく）、白丁（はくちょう）など
下役を率いて行列の警備にあたります。
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| 検非違使志 |
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続いて検非違使尉です。
検非違使庁の役人で、５位の判官。志の上役で行列の警備の最高責任者である。
舎人の引く馬に乗る。 また、志、尉ともそれぞれ調度掛（ちょうどがけ）に弓矢を持たせ、鉾持（ほこもち）に
鎖を持たせて武装している。
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| 検非違使尉 |
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御幣櫃
賀茂両社の神前に供える御幣物を納めた櫃で、下社二座、上社一座、合わせて三合の白木の唐櫃に
注連縄をかけ、白丁にかつがれてゆく。
衛士が先導している。
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山城使です。
山城介で山城国司の次官、五位の文官である。
この行列が御所を出るとすぐ洛外になり、山城の国司の管轄区域になるため督護の任につく。
舎人が馬の口を取り、前後に馬副がつく。
あとに手振、童、雑色(人夫下僕)、白丁(御幣櫃などをかつぐ役)など従者が，山城使の所用品を携えて
ゆく。
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| 山城使(やましろつかい) |
内蔵寮史生
御幣物を司る内蔵寮(金銀宝器を保管し，供進の御服，祭のみつぎものなどを司った役所）の流外官（本官の
下司，相当の位階のなかった人）七位の文官である。
騎乗し所用品を携えた雑色、白丁を従える。
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| 内蔵寮史生(くらりょうのししょう) |
走馬です。御馬(おうま)とも云います。
下鴨、上賀茂両社の神前で走らせ、神々にご覧に入れる馬で、2頭の馬の頭と尾には葵、柱、紙垂れを
つけている。
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牛車(ぎっしゃ)
紫の藤の花房を垂れ下げて、車輪を軋ませながら進む様は，とても優雅ですネ。
俗に御所車といわれ、勅使の乗用車として使われていた。軒に藤の花などの風流を飾り付け、車輪の
音をたてながらゆっくりと進む。
現在、勅使が乗ることはなく、行列の装飾である。
美しい装いをした大牛がひき，小さな童（わらわ）が綱を持ち、車方、大工職などともに進む。
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牛車の後に舞人(まいびと)の列が続きます。
舞人は，東遊を舞う武官。服装は緋色・無地の舞装束です。
6人が騎乗でお供する。それぞれ雑色、舎人、白丁が従っています。
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次は，勅使（ちょくし）です。
行列中で最高位の人です。天皇のお使いで現在は宮内庁の掌典がつとめる。
行列には勅使は参加せず，近衛使がその役割を勤めるので，近衛使とも言われる。
殿上人級の武官であるから姿も立派で右腰に銀製の魚袋(束帯の時につける装飾の具)をつける。
騎馬で，走雑色，朧（御馬役人），取物舎人、居飼（鞍覆持）、手振，馬副，隋身，牽馬，雑色，白丁を
ひきつれる。
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| 勅使(近衛使)です |
隋新(ずいしん)； 高官の警護に当たる。
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牽馬(ひきうま)；勅使の替え馬で帰路はこれに乗り換える。
風流笠(ふうりゅうがさ)
大きな傘に紺布を張り，これに錦の帽額総などをかけわたし，上には牡丹や杜若など季節の花（造花）を
飾り付けたもの。
行列の装いとして、取物舎人4人でかざしてゆく。
陪従(べいじゅう)；雅楽を奏する近衛府の武官で，この日は賀茂両社の社頭で歌をうたい楽器を奏でる
役を務める。
各種楽器を携え，それぞれ雑色，舎人，白丁が従う。 帯剣で騎馬7名。
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二回目の風流傘です。
先の風流傘とは造花が異なっていました。本列の結びとなります。
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| 二回目の風流傘（ふうりゅうがさ） |
本列に続いて斎王代列の行列です。
先頭は，女別当(おんなべっとう)，内侍(ないし)，命婦(みょうぶ)の列です。
いずれも，小袿，単，内袴を装い花傘をさしかけています。
女別当；斎院の内侍以下を監督する役。
内侍；上級の内侍のかみ，掌侍ともいわれ，身分の高い家柄の女より採用される。
命婦；内侍司の中級の女官です。
続いて，女嬬(によじょ)の列です。
女嬬は，内侍司に属し，食事を司る女官で，小袿，単，内袴を装っています。
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次に，童女(わらわめ)の列です。 可愛いですネ。
斎王代は童女に挟まれていました。
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| 童女(わらわめ)の列の後が斎王代です |
斎王代(さいおうだい)です。
五衣，唐衣，裳(十二単衣)に小忌衣(十二単衣の上に着る)，髪はおすべらかしで，頂に心葉(金属製の
飾り物)日陰糸(額の両側に下げる飾り)をつけています。
懐に帖紙(紅色)を入れ，桧扇を持ち腰神輿に乗っています。
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斎王代の後ろの童女です。
再び，女別当(おんなべっとう)，内侍(ないし)，命婦(みょうぶ)の列です。
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采女(うねめ)です。
采女は，食事・供奉に奉仕した後宮の女官で，頭から心葉をつけ，一番上に
小忌衣でその下に唐衣，更に絵衣(五色の花模様)を着用し，小袖に緋袴をはく。
騎女(むなのり女)です。
騎女は，斎王付の巫女(神事を司る女)で騎馬で参向するのでこの名がある。
袙の上に，汗衫(女性の往古の服装)を着け，髪は垂髪で革靴を履き，藤の輪になった造花を肩に挿して
いる。
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蔵人所陪従(くらうどどころべいじゅう)；
斎院の物品、会計をつかさどる蔵人所の、雅楽を演奏する文官で、それぞれ楽器を持っている。
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斎王代列の最後は，牛車(ぎっしゃ)です。
牛車は斎王の牛車のことで，女房車とも云う。 斎院の女房(最も位の高い女官)が乗ります。
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| 前方から見た牛車 |
後ろから見た牛車 |
シンガリの替え牛 |
以上が葵祭の隊列の一部始終です。
まるで絵巻物語を見ているようでした。
京都の数ある伝統的な風物詩の一つでした。
この後，御所の中を烏丸今出川まで歩き，同志社大学の前にある町屋の料理屋さんで皆さんとお刺身
定食で昼食をとりました。
暑かったせいか，グラスビ−ルがおいしかったです。
この後，小生は再び地下鉄を利用して烏丸四条に出て，タクシ−で建仁寺へ。
およそ，二時間程境内を散策しました。
詳細は，下記のPictureをご覧下さい。
 Picture / Pilgrimage to old temples / 「建仁寺散策」
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