1)日 時； 2010.09.14(火) 10:00 〜15:00
2)天 候； 曇り時々晴れ，〜30℃
3)場 所； 平城宮跡
4)ル−ト； 平城京歴史館/遣唐使船復原展示⇒朱雀門広場
⇒交流広場⇒第一次大極殿・前庭⇒東院庭園・広場
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| 平城宮跡ガイドMAP(平城遷都1300年祭HPより) |
(参考)
・平城遷都1300年祭ホ−ムペ−ジ； http://www.1300.jp
(社団法人 平城遷都1300記念事業協会)
・平城遷都1300年祭 公式ガイドBOOK 10・11・12月
(社団法人 平城遷都1300記念事業協会)
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平城宮跡エントランス広場でシャトルバスを降りて，遣唐使船復原展示のある平城京歴史館へ。
平城宮跡を巡る前に，先ずは当時の情報をここで仕入れました。
古代から平城京遷都に至る時代絵巻，5〜8世紀の激動する東アジアの様子，同時代の日本・中国
大陸・朝鮮半島の歴史年表，平城京のくらしと文化，遣唐使，そして平城京についてです。
平城宮跡は，今から1,300年前，日本の首都・平城京があった所です。
平城京は，当時の中国・唐の都，長安をモデルに建設された大規模な都でした。
その規模は，東西およそ6 Km，南北はおよそ5 Kmに及びます。
都の中心には75 m幅の南北の大通り，朱雀通りがあり，それを基準にして碁盤の目のように道路
が整備されていました。
平城宮は東西に1.3 Km，南北に1 Kmの規模です。
現在は，その大部分が特別史跡に指定され保護されています。
平城京に都が移される迄の日本では，短い期間の間で遷都が繰り返されてきました。
その一つ前の都，藤原京は，平城京から12 Km以上南に位置した我が国最初の本格的な都であり
平城京をうわまわっていました。
しかし，710年に元明天皇は藤原京から平城京へ遷都を行います。
その理由の一つは，当時の東アジアの最大国家である唐の長安を訪問した遣唐使の報告により
藤原京には国の権威となる都の正門や道路などのインフラ整備がされていなかったことがあげら
れる。
中央集権国家にふさわしい都を建設するために唐の長安がモデルとして計画された平城京遷都
の710年から桓武天皇による京都府の長岡京へ遷都される784年までの間，奈良の地が都として
栄えました。
この時期を奈良時代と呼んでいます。
奈良時代を中心に日本から当時の中国，唐に派遣された外交使節，遣唐使が乗った船です。
当時，東アジアで最大の国・唐，或いは古くから日本と交流があり日本に様々の文化をもたらした
朝鮮半島の国々，こうした諸国との交流はこの船によって実現されました。
遣唐使によってもたらされた知識や技術を学び吸収し，平城京の建設がなされ日本の国家の仕組
が整えられていきました。
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遣唐使は7世紀から9世紀にかけて15回程度派遣され，通常は4隻の船に600人程度乗り込み
ました。
3日から8日間程度で海を横断しましたが，途中の遭難などで4隻の船が全て無事に帰ったのは
1回しかなく，まさに命がけの航海だったのです。
朱色の柱と印象的な二重の屋根。
幅25 m,奥行10 m,高さ22 mの堂々たる姿で復原されていました。
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| 平城宮の内部側から眺めた朱雀門 |
当時，平城宮のまわりには，高さ5 mの大垣がめぐり12の門がありました。
中でも朱雀門は，都の中心を通る大通り，朱雀大路に面しており，まさに宮(きゅう)の正面玄関と
言える門でした。
朱雀門は平城宮の南側に位置しており，その名前は四神と呼ばれる天の四方を守る神の内，南を
守る神，朱雀に由来しています。
朱雀門の左右には大垣も復原されていました。
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朱雀門の南側を眺めると，幅70 mを越える広い空間が南に続いています。
これは，かっての朱雀大路。 平城京で最も広く大きな道路を再現したものでした。
朱雀大路は平城京の入口である羅生門まで続いていました。
道幅は75 m，距離はおよそ4 Kmで国際空港の滑走路に相当する規模の道路でした。
今は跡地しかありませんが，朝堂院(第一次朝堂院)は，大極殿と朱雀門の中間に位置して
いました。
ここは，役人が公的な政務をする場所であり執務の他，様々な儀式にも使われていました。
平城宮には，中央朝堂院と東の朝堂院のふたつの朝堂院がありました。
中央の朝堂院には四つの建物，東の朝堂院には12の建物があったことが分かっています。
中央の朝堂院は，外国からの使節を歓迎する宴会などにも活用されたと考えられます。
朱雀門の真直ぐ北に堂々たる威容をあらわしているのが大極殿です。
大極殿は，天皇が政務や儀式を行った場所であり平城京で最も重要な建物でした。
平城京の北端中央にある大極殿，ここから朝堂院，朱雀門，朱雀大路そして羅生門
へ続きます。
南北ラインは，まさに平城京の中心軸と言えます。
大極殿は，普段はその周辺にさえ高位の貴族しか立ち寄ることの出来ない特別な建物でした。
平城京の都市計画の中心であると同時に当時の国家権力を象徴する建物でもあったのです。
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(注)しび(鴟尾)とは，瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾りの一種。寺院や仏殿によく用いられた。
飛鳥時代に大陸から伝えられた。
奈良時代の半ば，聖武天皇が京都の恭仁(くに)京への遷都を行った時，大極殿も恭仁京に移築
されることになりました。
5 年後に再び平城京に都が戻された時，大極殿は元の位置の東側の区画に新たに建設される
ことになりました。
そのため，大極殿の位置は奈良時代前半と後半とで異なっています。
奈良時代前半の大極殿を第一次大極殿，後半の大極殿を第二次大極殿とよんでいる。
ここに復原されているのは，奈良時代前半の第一次大極殿です。
東，西，南を囲んでいる仮設の塀は，かっての回廊のあった場所を示している。
大極殿は，東西に178 m，南北に318 mもある回廊に囲まれていました。
大極殿の中央には，高御座(たかみくら)の実物大模型が展示されています。
高御座は，天皇が即位式などの特別な儀式の際に着座した玉座です。
内壁には四神と呼ばれる東西南北の四方を司る神，青龍(せいりゅう)，白虎(びゃっこ)，朱雀
(すざく)，玄武(げんぶ)が柱をはさんで向かい合うように描かれている他，十二支が雲と交互に
配置されています。
天井には仏教で極楽浄土を意味する蓮(ハス)の絵が描かれています。
都の建設にあたって唐の長安がモデルになったように，国の行政システムについても唐をモデルに
刑罰や政治の仕組と手続を法律で定め，それに基づき政治を行う律令国家の形成が目指された。
当時の中央政府は二官八省と呼ばれる構成をとっており様々の役所がありました。
平城宮にはこれらの役所が集中しており，長集殿の南側にある式部省，兵部省はその内の一つ
でした。
平城宮跡は，東に張り出し部のある特徴的な形をしています。
この張り出し部の南側の部分は皇太子の宮殿があった場所で，東院又は東宮と呼ばれていました。
その東南の端にあったのが東院庭園です。
東院庭園は，天皇が開く宴会が催された所と考えられています。
1,300年の時空を超えて蘇った平城宮跡を見学しながら，古の奈良の都の人々の雅な営みに
思いを馳せました。
平城遷都1300年祭のこの機に，10月から奈良の大和路にある多くの寺社で秘宝・秘仏の特別
開帳が予定されています。
是非，小生も拝観し奈良の奥深い仏教文化の一端に触れさせてもらおうと思っています。
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