徒然草津生活 Since 2010
Diary/Archive
2018年08月
今日は処暑
876−2018.08.23
8月も終盤になり、まだまだ暑い日が続いていますが、今日は二十四節気でいう「
処暑
(
しょしょ
)
」。
暦の上では「立秋」から秋に移行していき、「処暑」の頃に暑さが収まり、朝夕に次第に冷気が加わ
ってくるとされています。
今一、この漢字の意味が分からず辞書で調べてみると、「処」の文字には止む、止まる、収まる、
とどまる といった意味があるようです。
文字通りの意味だったのですね。
しかし、秋に向かっているとは言えまだまだ残暑厳しく、現在の暦や実際の感覚とは多少のずれが
ありますよネェ!
この二十四節気は中国で作られたそうですから、比較的に緯度の高い中国とは気候の差がある
ためやむを得ないでしょう。
二十四節気とは、1年を季節毎に24等分したもので季節の変わり目の目安となることから農作業
では現在でも使われているとのこと。
処暑の頃には、昔から野分(のわき、現在の台風の意) がやって来る時季だとも言われ、そろそろ
収穫を迎える農家にとって農作物の被害が気になる時季なので分かる気がします。
今年は台風の当たり年ですね。
深夜から未明にかけて台風20号が近畿地方を縦断、ここ近江地方も暴風雨圏に。
米の収穫が間近である我が家の近くの稲田の被害が心配でしたが、ご覧の通り台風の影響も無く
良かったです。
画像をクリックすると大画面でご覧になれます
台風一過の稲田 (2018.08.24_08:20)
処暑の頃に旬を迎える秋の代表的な食べ物がぼちぼち出始めますね。
サンマ、太刀魚、カボチャ、茄子、里芋、いちじく、梨、ぶどう、----。
拙者にとって秋の味覚は何といっても秋刀魚です。
焼きさんまや刺身で一杯飲むのは最高です。
特に焼きさんまのほろ苦いワタの部分には体力を回復させるビタミンが一杯。
夏バテで弱った胃や体を元気づけるには打ってつけの食べ物ですよ。
新鮮な生秋刀魚と焼きさんま (
無料写真素材「花ざかりの森」
より)
関西ではこの頃行われる風物詩として「地蔵盆」という行事があります。
目立たないですが町角のどこかにお地蔵さんがたたずんでいます。
日頃、子供を守ってくれているこのお地蔵さんに感謝し、子供の無事な成長を祈るために町内会
ごとに行われる子供のためのお祭りなんです。
小さい頃、拙者も地蔵盆の抽選でお供え物のおさがりが貰えるのを楽しみにしたものです。
草津の我が町内は新興の住宅団地のため町角にお地蔵さんなんてありません。
しかし、お地蔵さんの縁日(8/24日)の翌日の土曜日に地蔵盆の代わりでしょうか、夏祭りの催し
として模擬店・抽選会の他に子どもたち向けの幾つかのレクリエーションが予定されているようです。
子どもたちにとって夏休みも残り少なくなり、最後の楽しい行事であることは今も変わりがないよう
ですね。
と言うことで、皆さん 処暑の候、まだまだ残暑厳しいですのでどうか体調を崩されませんように
お体ご自愛ください。
English
Weekly Topics / No.270−Aug23.,2018 / “Today is Chushu(Shisho in Japanese)
”
孤高の画家・田中一村展
875−2018.08.17
伊豆高原に住む自転車・ヨット仲間のブルースさんから、「草津に近い守山の佐川美術館で開催中
の「田中一村」展を見に行くので草津で一緒に食事をしませんか?」とのメールをいただきました。
その日は草津滞在中なので一つ返事で快諾。
ついでに、翌日の展覧会にも誘われたので一緒に行くことにしました。
行く気になったのは、今回で2回目のお誘いを受けたからなんです。
一度目は、6月か7月だったか倉敷在住の同窓生からのお誘いでした。
彼とのスケジュールが合わず辞退しました。
そして、今回のお誘いです。
拙者、田中一村なる画家の名前を今まで聞いたことがありません。
二度もお誘いを受けるとは、この画家はそれ程注目されている画家なんだと思い、行ってみることに
したんです。
16日にブルースさん夫妻が車で見えられました。
草津駅前の創作ダイニングに入り、ワインを飲みながら団欒を楽しみました。
翌日、佐川美術館のエントランスで開館の9:30に待ち合わせて入館。
美術館へは、ブルースさん夫妻は近くの宿のホテルから車で、拙者は守山駅
からバスで出掛けました。
美術館は守山市の琵琶湖岸沿いにあります。
琵琶湖サイクリングの時に通るので知っていますが、訪れたことはありま
せん。
行って驚いたのですが、モダンでシンプルな佇まいが印象的な立派な美術
館でした。
物流大手・佐川急便が創業40周年記念事業の一環として1998年(平成
10年) に開館したそうです。
画像をクリックすると大画面でご覧になれます
佐川美術館(守山市水保町) (2018.08.17_09:02〜09:29)
日本画家の平山郁夫、彫刻家・佐藤忠良、陶芸家・樂吉左衛門という日本美術界を代表する
3人の巨匠の作品を所蔵しているそうです。
いやあ、灯台もと暗しでした。
今回は佐川美術館開館20周年記念として「生誕110年 田中一村展」と題して開催された特別展
とのことです。
館内への通路でこんな彫像群が。
美術館の風情が漂ったいますね。
館内通路の彫像群 (2018.08.17_09:59)
順路に沿って展示室に入ります。
何と最初は日本画家の平山郁夫の展示ブースです。
「平山郁夫 描かれた世界遺産」というタイトルの通常展示です。
原爆の後遺症と闘いながら平和を希求し、「平和の祈り」や「仏教伝来」をテーマに描かれた
数多くのシルクロードの風景の作品群です。
佐川美術館がこれほどの数の平山作品を所蔵していたとは驚きでした。
通常展示ですので何時でも見られます。
素晴らしかったです。
続いて田中一村の特別展示室へ。
ところで、田中一村とはどんな画家なんでしょうか?
ガイドやNet 情報を参考に要約してみました。
田中一村とは
栃木生まれで幼少期から南画(中国の南宋画に由来するジャンルの絵画)の神童と呼ばれ
ていた。
1926年(大正15年)に東京美術学校(現、東京芸術大学)に入る。
同期には、東山魁夷や橋本明治など。
しかし、父の発病により一家の生計を立てねばならなくなり僅か2ケ月で退学。
その後、独学で画家人生を歩み、23歳のときに南画と決別し、新しい絵画を目指す。
30歳で母方の親戚を頼って千葉に移住。 同地で約20年間にわたり農村風景や自然、
動植物の写生に没頭。
その間に画壇(日展や院展) への挑戦を試みるもことごとく落選し挫折する。
50歳のときに奄美大島に渡り、69歳で亡くなるまで大島紬の染色工として働きながら
奄美の自然を描き続けた。
その存在を中央画壇に知られることなく無名のまま生涯を終えた一村であるが、1984年に
NHKの「日曜美術館」で取り上げられたことをきっかけに、その独特の画風が注目される
ようになり、近年、再評価の著しい画家とか。
詳しくは、
wikipedia 田中一村
をご覧下さい。
展覧会では幼少期から晩年まで時代を追って作品が展示されていました。
幼少期の作品もさすがに神童と言われるぐらいあって玄人画家の作品のようでした。
素人ながら拙者が素晴らしいと思った作品 (いずれも、絵葉書などから複写) を幾つか。
「秋晴(1948年)」 (田中一村記念美術館蔵)
「アダンの海辺(1969年)」
(個人蔵 千葉美術館寄託)
画像をクリックすると大画面でご覧になれます
「
忍冬
(
ニンドウ
)
に
尾長
(
オナガ
)
(1956年頃)(部分)」
(個人蔵 田中一村記念美術館寄託)
「初夏の海に
赤翡翠
(
アカショウビン
)
(1962年頃)(部分)」
(田中一村記念美術館蔵)
「
不喰芋
(
クワズイモ
)
と
蘇鉄
(
ソテツ
)
(1970年代)(部分)」
(田中一村記念美術館蔵)
動物絵の中にはシャモ(軍鶏) をテーマにした作品がありますが、伊東若冲を彷彿させますね。
奄美時代には南国特有の濃い緑をちりばめた多色の彩色でトロピカルな風景が魅力的に描かれて
います。
大胆な装飾的構図と色彩は、タヒチに移り住んだ
ゴーギャン
の画風に似ているように思いました。
それに、縦長の作品が多いのもこの人の特徴かもしれません。
美しい色彩と活き活きした描写に、すっかりこの無名の画家のファンになりました。
久し振りに素晴らしい美術展と出会えました。
そんな余韻から抜け出せない三人はミュージアムカフェに入り、感想を語り合いながらティー
タイムを楽しみました。
ミユージアムカフェでティータイム (2018.08.17_10:46)
お二人はこれから福井県の小浜市へ移動し観光を続けるそうです。
タイミング良く守山駅行きのバスが着いたので別れを告げました。
広島・原爆記念日の翌日は立秋
874−2018.08.07
今日は旧暦でいう「立秋」です。
灼熱の暑さが続いているというのに、今年は異常ですネ。
20日間近く留守をしていたので水を与えなかったためか、庭の芝の一部が枯れて黄色く変色
しています。
近江の草津もそれ程の熱波にさらされたのでしょう。
甲子園では連日「本気の夏、100回目」の高校野球の熱戦が繰り広げられています。
熱波で部分的に枯れている庭の芝生 (2018.08.07_14:06)
これからも予報では猛烈な暑さが続くようです。
水分をこまめに取って熱中症にかからないようにしないとね。
さて、昨日は広島が一瞬にして焼土となったあの朝から73年が経つという。
「原爆記念日」を迎え、恒例の平和記念式典があり、広島市長による平和宣言としてあらためて
世界での核兵器禁止が世界に向け発信されました。
唯一の被爆国である日本は、昨年、国連で「核兵器禁止条約」が採択されたにもかかわらず、
こうした動きに背を向けたまま署名・批准もしないままでいます。
皆さん、日本国民としておかしいと思わないですか?
米国の「核の傘」の下にあるからでしょうか、安倍首相によると「条約とは考え方、アプローチを
異にしている」という理由から日本は不参加を表明しているとのこと。
一方で「核廃絶というゴールは共有するも条約には核保有国の参加が必要。橋渡し役を通じ国際
社会をリードしたい。」とのこと。
であれば、日本国として「核兵器禁止条約には反対ではない。」というメツセージをどうして世界に
向け発信できないのでしょうか?
又、核保有国に対し個別に非核化についての働きかけをしたことがあるのでしょうか?
そういう活動ができますか?
これから是非、日本の総理大臣としてそういう地道な活動に着手され非核化について世界を
リードされることを乞い願うものです。
広島市民から面前で「あなたはどこの国の総理大臣ですか?」と二度と言われないように。
非核化に対する論理の破綻を隠蔽するような二枚舌だけは避けて下さいね。
日本の品格に傷がつかないように!
そんなことを思った暑い日の立秋でした。
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