1)観 覧 日； 2009.05.14(木)
2)会 場；東京国立博物館 平成館
・JR上野駅公園口より徒歩10分
3)会 期； 2009.03.31～06.07
4)天 候； 晴れ，気温，25℃
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JR上野駅公園口の改札から上野公園に入ると，人の波でした。
きっと，国宝・阿修羅展の参観に行く人，参観から帰る人達だと思いました。
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| 国宝・阿修羅展から帰る人・参観に行く人達の人波(上野公園にて) |
この広い通りを歩いて右折すると，10分程で東京国立博物館に着きました。
会場である平成館の入口に来ると，入場を待つ人の行列が数珠つなぎです。
展覧会がオ－プンしてから1ケ月も経ちますが，好評のためご覧のような混雑ぶりです。
そんなことで，入館規制がされており何と70分待ちでした。
画像をクリックすると大画面でご覧いただけます
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| 東京国立博物館の遠景と近景 |
阿修羅展の会場の平成館 |
待つこと1時間，午後4時にやっと入館できました。
館内2Fに上がると，二つの会場に分かれています。
第一会場では，「興福寺創建と中金堂鎮壇具」と題しての展示です。
明治7年(1,874年)と明治17年(1,884年)に中金堂基壇の須弥壇から出土した，東京博物館所蔵の鎮壇具が多数
展示されていました。
それらは，8世紀奈良時代の興福寺創建にかかわる遺物で，鏡，念珠，宝石類の他に延金や当時の貨幣( 和銅開珎 )
等々です。
いずれも優れた工芸品であり，科学が発達していなかった当時に，よくぞこんなものが製作されたものだと驚き
ました。
次のコ－ナ－では，「国宝 阿修羅とその世界」と題しての展示です。
光明皇后が天平6年(734年)に亡き母，橘 三千代の一周忌供養のために造ったと云う，八部衆像・十大弟子像など
の主として奈良時代の興福寺所蔵の仏像です。
この八部衆像の中の一つが阿修羅像で，今回の展覧会でクロ－ズアップされている仏像なんです。
像高，153cm。三面六臂(三つの顔と六本の腕)を持つ。
仏教の守護神とされ，奈良時代の天平6年(734年)，光明皇后が母・橘 三千代の1周忌供養の菩提を弔うために造らせた。
八部衆像のうちの一本で，もとは現存しない西金堂に安置されていたと云う。
麻布を漆で塗り重ねた乾漆造りである。
八部衆は，仏教を守護する「天」で，「金光明最勝王経」や「法華経」などにその名前が出てくる。
いずれも，もとはインドの神で，仏教に取り入れられてその守護神となった。
三面六臂の阿修羅，鳥頭の迦楼羅，一角を生やす緊那羅など，変わった姿で表されるのも八部衆立像の特徴である。 |
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国宝・阿修羅像(八部衆像のうち，部分)
奈良時代・天平6年(734年) 奈良・興福寺蔵 |
守護神とされる八部衆立像は，いずれも武装しているが，八体の中で唯一阿修羅像だけが武装していないのが
不思議だった。
「修羅場」と云う言葉をよく耳にするが，辞書によれば「戦乱や闘争で悲惨をきわめている場所，激しい戦いの場面」
を意味する。
ですから，「阿修羅像」と云う単語からすると，いかつい顔をした仏像を想像するのであるが，どうしてこんなに清楚
な表情をしているのでしょうか ?
ふと，不思議に思いました。
この「阿修羅像」は，唯一の女性として様々の修羅場をくぐってきた後の安堵した表情の仏像なんだと勝手に解釈
したりしました。
第二会場では，「中金堂再建と仏像」と題しての展示です。
興福寺の中金堂は，平安時代以降7回焼失し再建を繰り返し，享保2年(1,717年)の火災後は，仮の金堂が建てら
れ現在に至っているとのことです。
この仮金堂に安置されている薬王・薬上菩薩立像，四天王立像などが展示されていました。
これらの仏像は，治承4年(1,180年)の兵火による焼失後の，鎌倉時代の復興期に慶派の仏師等により造られた仏像
である。
又，最終のコ－ナ－では，バチャルリアリティ映像「よみがえる興福寺中金堂」「阿修羅像」と題しての映像観賞で
した。
興福寺では来年，中金堂の立柱を予定し，創建時の中金堂を出来る限り再現しょうと事業が進められている。
その完成予想の姿を映像として見せてくれました。
とにかく，混雑した中で1時間半の立ちっぱなしでの観覧で少しばかり疲れましたワ。
しかし，それ以上に「阿修羅」の魅力に惹かれました。
帰りに，会場近くで行われていた「東京地酒と酒器うつわ祭り」のブ－スに立ち寄り，東京の銘酒を一杯飲んで休憩
です。
阿修羅の余韻にひたりながら。
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| 閉館間際の平成館 |
会場近くの「東京地酒と
酒器うつわ祭り」 |
大道芸人 |
帰り路の路傍で大道芸人が風船を使った芸で道行く人々を笑わせていました。
しばらく笑ってから，家路に着くためにJR上野駅公園口へ向かいました。
尚，「阿修羅像」を所蔵している奈良の興福寺については，以下をご覧になって下さい。
奈良・興福寺について
・山号； なし
・宗派； 法相宗
・寺格； 大本山
・本尊； 釈迦如来
・創建年； 669年(天智天皇8年)
・開基； 藤原不比等
・文化財；
＜国宝＞五重塔
木造弥勒菩薩像
乾漆八部衆像ほか
＜重要文化財＞
南円堂, 木造薬王菩薩立像
木造薬上菩薩立像ほか
＜世界遺産＞
・札所等；西国三十三箇所9番
(南円堂)
南都七大寺2番
西国薬師四十九霊場4番
(東金堂)
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奈良市登大路町にある，南都六宗の一つ，法相宗の大本山の寺院である。南都七大寺に数えられる。
藤原氏の祖である藤原鎌足夫人の鏡王女が夫の病気・平癒を願い，鎌足発願の釈迦三尊像を本尊として，天智天皇8年(669年)山背国(山城国)三階(京都市山科区)に創建した三階寺が当寺の起源である。
壬申の乱のあった天武天皇元年(672年)，三階寺は藤原京に移り，地名をとって厩坂寺と称した。
和銅3年(710年)の平城遷都に際し鎌足の子不比等は厩坂寺を平城京左京の現在地に移転し，興福寺と名付けた。
この710年が実質的な興福寺の創建年といえる。
中金堂の建築は平城遷都後まもなく開始されたものと見られている。
興福寺は奈良時代に四大寺，平安時代に七大寺の一つに数えられ，特に摂関家藤原北家との関係が深かったために手厚く保護された。
平安時代には春日社の実権を持ち，大和国一国の荘園のほとんどを領して事実上の同国の国主となった。
その勢力の強大さは，比叡山延暦寺とともに「南都北嶺」と称された。
鎌倉・室町時代の武士の時代になっても僧兵等を擁し強大な力を持っていたため，幕府は大和国に守護を置けなかった。 よって大和国は実質的に興福寺の支配下にあった。
興福寺は，創建以来たびたび火災に見まわれたが，その都度再建を繰り返してきた。中でも治承4年(1,180年)，源平の戦いによる兵火で東大寺とともに大半の伽藍を焼失した。
現存の建物は，すべてこの火災以降のものである。
なお仏像をはじめとする寺宝類も多数が焼失したため，現存するものはこの火災以降の鎌倉復興期に制作されたものが多い。 興福寺を拠点とした運慶ら慶派仏師の手になる仏像もこの時期に数多く作られている。
明治元年(1,868年)に出された神仏分離令は，全国に廃仏毀釈の嵐を巻き起こし，春日社と一体の信仰が行われていた興福寺も直接打撃を蒙り，一時は廃寺同然となった。
行き過ぎた廃仏政策が反省されだした1,881年(明治14年)，ようやく興福寺の再興が許可された。 1,897年(明治30年)，文化財保護法の前身である「古社寺保存法」が公布されると，興福寺の諸堂塔も修理が行われ，徐々に寺観が整備され現在に至っている。
現在の境内は, 以下の通りです。
参考 ①ガイド; 興福寺(発行；法相宗大本山 興福寺)
②Wikipedia--興福寺--https://ja.wikipedia.org/wiki/興福寺
③興福寺HP； http://www.kohfukuji.com/
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